E-CUBE 2006年07月

VOL.54 7月号


NZで活躍する日本人

時代を飾るキウィ




自由時間 : ワーキングホリデーやスチューデントで活躍中

<児童英語教師 / Kindercare Learning Centres:高島 美智子 さん | メイン | AUT空間デザイン専攻/ AUT Bachelor of Spatial Design Student:鎌田 塁さん>

メイクアップアーティスト&ファッションスタイリスト/Make-up Artist & Fashion Stylist:陽子 オッグ さん

メイキャップで大切なことは、先ずTPOを考えることです。

yoko ogg ヘアーメイク、ファッションスタイリストという職業が日本に現れ、ちょうど注目され始めた頃、陽子さんはファッションスタイリストとして働き始めた。その後、陽子さんは、NZに来るまでの約10年間、日本のTV・広告業界で活躍してきた。NZでは長年、ウエディングのヘアーメイクとして働く彼女。ナチュラルな服装とメイクなのにどこかお洒落な雰囲気が漂っている陽子さんは、いつも華やかな世界に身を置きながら、心のお洒落を大切に思える素敵な女性でもあるのだ。そんな彼女にNZで美しく輝くためのメイキャップのヒントを教えて貰った。

陽子 オッグ   Yoko Ogg
大阪出身。ファッションデザイン専門学校卒。約10年間ヘアーメイク・ファッションスタイリストとしてTV,広告業界で活躍。ヘアーメイクを担当したテレビCMがCM協会のコンペで受賞。1987年日本でNZ人と結婚。1988年NZに移住。フリーランスで子供服・婦人服のデザイン&作製。約10年間マーケティング会社でNZ政府観光局のアンケート調査の翻訳、通訳業務などを行う。その間、週末はNZのウエディングのヘアーメイクとして活躍。2000年AUTの日本語教師Certificate取得。2004年Massey大学BA日本語専攻修了。2005年より日本人ウエデイングプランナーとの仕事で日本人のヘアーメイクも担当。現在、ブライダルショップ『Felicitys Bridal Salon』勤務。二男一女の母。

ヘアーメイク、ファッションスタイリストとしてTV・広告業界で活躍!

「私がファッションデザイン専門学校に通って2年が過ぎた頃、マスコミ関係の方と知り合うきっかけがあり、アルバイトでCM制作会社のお仕事をすることになりました。そこでヘアーメイク、ファッションスタイリストという職業について知りました。」当時、陽子さんは3年間コースでファッションデザインを勉強していた。ちょうどスタイリストという職業が時代の変化と共に現れ、注目され始めた頃でもあった。「スタイリストはモデルやタレントなどにどのような服を着せるかを考えて服を手配することやヘアーメイクが仕事でした。」陽子さんは、関西でスタイリストのはしりとして活躍していた男性のアシスタントとして働き始めた。そこで経験を積んだ後、フリーランスとして独立。初めはなかなか仕事にならず、コネクションで仕事を回していたと語る陽子さん。「ある時、ジャズピアニスト界の神様と言われるオスカー・ピーターソンを起用したキーボードのテレビCM撮影のメイクを担当しました。私は半分世話役で肩をもんだりして。黒人の方なのでメイクといってもそんなに大したことはしなかったのですけどね。コマーシャル協会主催のコンペティションでそのCMが賞を受賞して、スタッフとして私の名前も出ました。その後から、仕事が舞い込んでくるようになりました。」関西をベースに陽子さんは数々の有名人やモデルたちと仕事をした。「明石家さんまさんのミスタードーナツのCM撮影の仕事をしたり、山口朋子さんがモデルだった頃に仕事を一緒にさせていただいたり。外人モデルたちと仕事をしたり。」テレビや広告・雑誌業界というファッションの最先端で、陽子さんはヘアーメイク・ファッションスタイリストとして活躍されていたのだった。


ファッションスタイリスト&ヘアーメイクの仕事

「例えば、さんまさんのような男性タレントの場合は、ライトを当てると顔が光るので、ドウランやファンデーションを塗ってマットな感じに仕上げます。他には、ニキビや目の下のクマを消したり、口がカサカサしていたらツヤを出したり、眉毛をカットしたり。」また、「この仕事で一番大事なものは体力です。」と言い切る陽子さん。「屋外ロケや徹夜の仕事、海外ロケもあって体力勝負でした。交通事故を起こして腕の骨を折っても撮影にそのまま来たスタイリストもいました。また、いかにディレクターや監督の希望に応えられるかがスタイリストの仕事でもありました。服選びの最終決定権は彼等にあるので、『赤がいい』と言われて赤い服を持って行くと、『気が変わった。黄色にしてくれ』と言われた時に直ぐに要求されたものを探して来ないといけないので、どこにどんなものがあるかを知っておくことが大事でしたし、予算の関係で衣装をレンタルするためにサプライヤやメーカーなどと常に繋がりを持っておくのも仕事でした。」仕事はハードだったけれども、とても楽しかったという陽子さん。また舞台の裏側が見れるので、とても貴重な体験だったという。「山口朋子さんは、女優になられる前は東京の売れっ子モデルで、その時に生命保険会社のCMのお仕事でご一緒させていただきました。モデルは顔を綺麗にしていても洋服は脱ぎっぱなしとか、スタッフに偉そうにする人が多いのですが、彼女はとてもきっちりしていて洋服も自分でたたんだり、とても素敵な女性でした。」ファッション界の最先端で働く陽子さんもまた、内面の美しさを大切に思う素敵な女性であった。


NZは最高!

「仕事でお付き合いのあった毛皮屋さんの店員の方がご夫婦で長年NZに滞在され、最近日本に戻って来たことを知りました。」25年ほど前のことだった。「たまたま、その時、彼を訪ねてNZ人の方が日本に来られていて、それが縁でNZに旅行で来ることになりました。そのNZ人の方のお宅に1ヶ月間滞在して、クリスマスを一緒に過ごして、その後一緒に北島を1週間ほど旅行しました。その家族はウィーン出身の有名画家のフンデルトワッサー氏と友達で、彼のお宅にもお邪魔しました。とても斬新な絵を描く自然主義者の画家で、家を改造したり、自分で運河を作ったり、またトイレに土を入れて匂いがしないようにしたり、屋根の上に木を生やしたり。典型的な芸術肌の方で、私の前で突然、服を全部脱ぎ捨てて、川に跳び込んだり。カルチャーショックを感じました。お世話になったお家の方も、後でわかったのですが大手ビール会社DBビールの創設者の孫で、空港の近くの島プケトゥトゥ・アイランドに住んでいた祖父母の大邸宅にもお邪魔しました。家の敷地内には噴水があって、馬を飼っていてポロを楽しむ、そんなご家庭でした。滞在していた家もミッションベイで、彼等のお友達の家もその界隈で、みんなプール付きのお家で。今となっては、彼等は特別な人だと分かるのですが、その当時は、NZ人はこんな暮らしをしている人ばかりなのだと思っていました。そして最後に南島を旅行して、クイーンズタウンの景色を見て、この国は最高!と思いました。」陽子さんは、この滞在で多くの知り合いができ、その後、何度かNZを訪れた。それらの旅行の中で、NZ人の知人を通して知り合ったのが現在の旦那様だという。


ウエディングでメイキャップ

現在、陽子さんは、NZで週末はウエディングのカメラマンとブライドやブライズメードのヘアーメイクとして働いている。「約10年前にウエディングのカメラマンがヘアーメイクを募集していて一緒に仕事をすることになったのですが、ウエディングの写真のお仕事もファッションスタイリストの仕事と似た部分があり、写真撮影の時にドレスの裾を直したり、化粧直し、ポーズのアドバイスをしたりします。日本でも、殆どのプロのモデルは自分でポーズを取ることができるのですが、カメラマンが大体は指示を出して、そこに助言を加えるのもスタイリストの仕事でした。そういった意味でも現在のウエディングの仕事と似ています。」はやりすたりの早い日本のファッション界で時代の流れをいつも感じていた陽子さん。そんな陽子さんから見たNZのファッションは?「NZ人のファッションに対する意識が、ここ5年くらいで変わってきたと思います。ブティックやファッション雑貨のお店も増え、ブランド品にも目覚めて、ファッションにお金をかけるようになってきたように思います。」では、メイクに関してはどうですか?「NZ人は結婚式で、ナチュラルなメイクを好む人が多いです。NZ人は自分の結婚式で初めてメイクをするというブライドが多く、ほんの少しメイクをしただけでも厚化粧だと感じるようです。また『結婚式に自分だと分かってもらえないのは嫌なのでメイクをあまりしたくない』という人もいます。その時は、『写真写りの点で口紅も薄過ぎると化粧が取れているように見えるのと、顔色が良く見えないから明るめの口紅を少しつけた方がいいですよ』とアドバイスをしています。でも反対に『ドラマティックに変えて欲しいわ!』というタイプのNZ人もいます。」


メイキャップのヒント

「先ずTPOを考えることが大事だと思います。」と陽子さん。「比較的NZ人はビーチへ行く時は短パンでラフな格好をしていても、レストランへ行く時は襟のあるシャツや長ズボンを着、TPOをわきまえているように思います。反対に日本人はビーチに行く時も、街へショッピングに出かけるようなメイクや洋服でいることが多いように思います。オフィスではオフィスに合った、ビーチではビーチに合った服装とメイクをするとか、場所に相応しい格好をするのが大切だと思います。若い人は肌が綺麗なので、ファンデーションも薄めで、アイラインも綿棒でぼかすなど、ナチュラルメイクがNZには合うと思います。スキンケアで大切なことは、必ずその日の内にメイクを落とすことですね。肌を休めるためにはあまりメイクをしないのが一番ですが、NZは紫外線が強いのでしみ・そばかすを防ぐためにUVカットのファンデーションで肌を保護したほうがいいでしょう。どの化粧品が良いというのは一概に言えません。それぞれ肌質が違うので色々試して、自分に合ったものを見付けるのがよいと思います。ただ昔からモデルが使うファンデーションのブランドは『クリニーク』が一般的でした。ナチュラルでカバー力があって万人に合って。」また、ファッション業界の人たちはお洒落に遊び心も忘れない。「今、日本で活躍するヘアーメイクの方でも、高価なブランド物だけではなくて、百円ショップに売られているアイシャドウなども使うということです。百円でしたら、沢山の色を気軽に楽しめますし、洋服の色に合わせてカラーコーディネートしてみるのも楽しいでしょう。そして、アイシャドウを付ける時は、クリームアイシャドウを先ず塗って、粉のアイシャドウを塗ると取れ難いので、それもポイントですね。」
あるウエディングでたまたまヘアーメイクとして働いている陽子さんを少し見かけたことがある。記憶の中の彼女の身のこなしを思い出した。その瞬間、彼女のファッションスタイリストとしての姿がオーバーラップした!

Felicitys Bridal Salon
(ブライダルショップ)
25 Victoria St West, Ph: 09-303-4858
Robert & Donna Photography
(ウエディング写真)

contact@ecube.co.nz
ウエディングのヘアーメイクから写真撮影、ドレス選びに至るまでNZでのウエディングに関するご相談をお気軽にお尋ね下さい。

メイクアップアーティスト&ファッションスタイリスト/Make-up Artist & Fashion Stylist:陽子 オッグ さんと連絡を取りたい、勉強したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。

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