Vol.113 英語で学ぶ1 真っ赤なでっかいハートを日本へ


皆さんは日本での大地震、津波のニュースをどんな風に見たでしょうか。遠くニュージーランドにいるから、日本のために何かをしたいと思っても何をしたら良いか分からなくて、何もできなくて、歯がゆい思いをしたのではないでしょうか。そんな中、Browns Bayにある語学学校、UNIQUE NEW ZEALANDの日本人学生10名が中心となり、Browns Bay Communityの方々とともに「Team UNIQUE」として被災地復興のための募金活動を展開。そのリーダーとなった伊藤大輔さんにそのいきさつを聞いた。

Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さん【Profile】
伊藤大輔 Ito Daisuke
1982年5月5日生まれ。東京出身。駒澤大学法学部法律学科卒業。Webサイト制作会社で6年働いた後、去年の10月にニュージーランドへ。日本食レストランでバイトをしながら英語学校へ通うこと約半年。東北地方大震災の直後、募金活動をすべく、Team UNIQUEを結成。ヘアカット、ファンドレイザーやバザーなどを企画、運営し12,000ドル以上を集めた。

「今、自分たちにできること」

Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さん夜遅くまでバザーの準備に追われた。Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さんイーキューブの表紙を飾る有田潤氏も参加Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さんUnique New Zealand留学生・伊藤大輔さん自らデザインの日本応援Tシャツを着たあすみちゃんとイラストレーターのアリタジュンさん。

僕が日本で大地震があった事を知ったのは、シティーの交差点でした。通行人の方に、あなたは日本人か?とたずねられ、詳しく教えてもらいました。幸い僕の家族も友人もそれほどひどい被害には合っていませんでした。月曜日の朝、ではもちろん地震の話で持ち切りでした。皆、日本から遠く離れていて、何かをしたいのに何もできなくて、歯がゆい思いをしていたのです。なかには、家族や友人と連絡が取れなくなって、心底滅入っている生徒もいました。しかし、地震から数日経ち、「今、自分たちにできること」は何か、考え出しました。ニュージーランドにいるからことできることは何か、留学生として滞在しているからこそできることは何か。今は、ニュージーランドで目の前のことを精一杯がんばり、いろんな経験を積んで、いろんな人と向き合い、日本へ帰国した際に、その体験を生かして日本の復興の一役を担えるようになりたいと思います。そして、「今、自分たちにできること」と「どんな形であれ、何かしたい」という『真っ赤なでっかいハート』これを日本へ送りたいと考えました。
「今、自分たちにできること」は、
・一日でもはやく、被災されたみなさんに必要な物資が届くように募金をすること。
・周りのみんなにできることを伝えること。
・元気でいること。
・笑顔でいること。笑顔をおくること。
・応援すること。
・いつまでも忘れないこと
このような思いを形にし、学校内や地域のたくさんの方から、いろいろなアドバイスや多大なサポートを受け、バザーと募金活動をすることが決まりました。

「PRAY for JAPAN」ではなく、「ACT for JAPAN」

まず、学校内でお金を集めることから始めました。各クラスを回って現地の状況をみんなに知ってもらうビデオを制作し、募金を募りました。2,000ドルほど集まりましたが、学校全体の雰囲気がビデオの悲惨さで暗くなってしまいました。募金の後、校長からのアドバイスで「ニュージーランドらしい、明るい募金活動」を提案され、活動したのが、「ヘアーカット、ファンドレイザー」。これは、明るく、面白く、笑顔がこぼれるイベントでした。UNIQUEの学生は、5ドルの募金で、代表の学生や先生、スタッフの髪にハサミを入れられ、もし丸坊主になったら、校長が学生一人20ドル、先生&スタッフ一人100ドルを募金するというイベントです。学校中が一時、坊主頭だらけになりましたよ。皆、日本のためにボーズになってくれました。その後、先生や、ホストファミリー、地域の方々にいろいろなものを寄付してもらい、チャリティ・バザーを企画しました。できる限り価値のあるものを寄付していただけるよう、個々にお願いし、その結果、たいへん多くの方々が協力してくれました。また、ノースショアに住んでいる日本人の方々が、ホームベーキングを差し入れてくださり、近くのレストランの方が食品を提供してくださいました。バザー当日は、子供たちが浴衣を着て手伝ってくれました。本当に、みなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。周りの方からのアドバイスやサポートがなければ、実現はとても難しかったです。このバザーは、「PRAY for JAPAN」ではなく、「ACT for JAPAN」として、とにかく、僕たちにできることを実行する、というとても「アツく、クサい、そして、強い」思いが詰まっているイベントでした。総額で12,000ドルほどを募ることができ、オークランド日本人会を通して、日本赤十字社へ送りました。オークランド日本人会、日本総領事館の方々にも本当にお世話になりました。

リーダーとして、どう「気持ち」をまとめるか

Team UNIQUEのリーダーとして、一番大切にしていことは、Team内の「気持ち」をどうまとめていくかでした。メンバーの中には、実際に家族や友人が被災した子、友人が亡くなった子、クライストチャーチから被災してきた子もいました。そこには、どうしても複雑な思いや感情が絡み合い、感情的になる場面もありました。そこでは、やはり話し合って、聞く、という基本的ですが、とても大切なことを重要視しました。メーリングリストやチャットなど、いつでも話せ意見を出せるような環境を整えました。バザーを準備している最中、震災時に東北地方で被災された卒業生が、偶然ニュージーランドに来られていたので、その当時の話をしていただきました。それは皆に衝撃を与えました。被災者からの当時の話を聞いて、僕たちが、「今、自分たちにできること」を実行する大切さを認識しました。そして、いつまでも忘れないことが大切だということもわかりました。被災地のリアルな話を伺えたことは、みんなの思いに大きな影響を及ぼしたと思います。

真っ赤なでっかいハートを日本へ

Team UNIQUEの中心は、語学学校の学生たちですから、募金活動を行ってから今までの約1ヶ月の間に、多くのメンバーが卒業して行きました。僕も5月初旬から、フルーツピッキングを経験するために学校を離れる予定です。そんな中、一番大事なのは、「今、自分たちにできること」という気持ちを継続させて、この思いを忘れないことです。これからの日本の将来を考えると、忘れないということは、被災地にとって、日本にとってとても大事だし、大きな意味を持っています。ニュージーランドにいる私のような留学生、または、日本人の方全員が、「真っ赤なでっかいハート」を持ち、自分たちの周りにいる人たちへの「感謝」と、「アツく、クサく、そして、強く」あることが、たとえ遠くに離れていても、復興への大きな力になると信じています。そして、「笑顔」と「元気」をできる限り日本へ送り続けたいと思います。"We are with you Japan !!"

Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さん Unique New Zealand留学生・伊藤大輔さん

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ちらしやポスター、ロゴなども全部学生の手作り。

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