Vol.113 英語で学ぶ2 ニュージーランドで調理師をめざして


今年1月、妻と3人の娘の一家5人でニュージーランドへやってきた清水さん。数年前、親しかった姉を病気で亡くしてから、家族と一緒に居たい、と強く思うようになった。小さくてもどこか地域にどっぷり浸かれる場所で、自分のお店を開き家族でやっていくのが夢、という。そのための準備としてNSIAでシェフの資格をとるべく勉強中の彼に話を聞いた。

ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん【Profile】
清水慎 Shimizu Makoto 
昭和38年9月23日生まれ。東京出身。家族でのニュージーランド移住を目指し、NSIAの1年間のシェフコース在学中。脱サラしてパン屋をやった経験、寿司の板前の修業経験を持つ。7歳、9歳、12歳の3人のお嬢さんのお父さん。ノースショア在住。

オーストラリアの大学で勉強。

ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さんフランス料理のテーブルセッティングのダイナミックさに驚嘆した。ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さんニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん自分が楽しいことをやる主義。ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さんニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん子供たちからいい緊張感をもらって一緒に学習する感じ。ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん家で学んだもの作ることも多い。ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さんニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん日本語も話せるマーケティングスタッフのソフィアさん。ニュージーランド調理学校NSIA留学生・清水慎さん趣味はゴルフ。石川遼がアイドル、と笑う。

小学、中学の頃から、外国に憧れていました。ビートルズも聴いていましたし、英語の授業がとても好きでした。でも、その頃はなかなか海外に簡単に行ける、という時代ではなく、簡単には実現はしませんでした。学校を卒業してふつうに就職してしばらくし、25歳の時にオーストラリアへワーホリで行きました。そしてニューサウスウェールズの大学で経営学のコースに入学し、31歳で卒業するまでオーストラリアにいました。私は20代後半でしたし、学生でしたし、自由でとても楽しかったです。大学を終了した時に、オーストラリアに残って何か仕事に打ち込みたい、という気持ちはありましたが、その時点では、それ以上にひとつの区切り、として、結婚して家庭を持ちたいと思いました。そこで、とにかく帰国。同じくオーストラリアで勉強して先に卒業して帰国していた彼女と結婚。ふつうのサラリーマンとして就職して家庭を築きました。その結果、「海外で暮らす」という夢がやり残したことになりました。

親しかった姉の死が大きな転機に。

東京で家庭を持ってサラリーマンになって数年した36歳の時、私は脱サラしてパン屋を始めました。もともと台所で料理を作ったりするのは好きでした。まず2年ほど、某パン屋で修業をさせてもらい、それから自分のパン屋を開業。パン屋として生計を立てるようになりました。大きな転機は私が42歳の時訪れました。無二の親友、戦友、といってもいいほど親しかった私の姉が、病気で他界しました。それは私にとって重大な出来事でした。とても大切な人の死にあたって、本当にいろいろなことを考えました。もっと家族を大切にしよう、というのが一番の思いでした。そんな時、ひとりでふらりとニュージーランドを訪れました。感傷に浸る旅行ではありましたが、その旅行を通して、家族でニュージーランドに住みたい、子供たちと一緒にニュージーランドで生活をしたい、と強く思うようになりました。それからの5年間は、1年、1年がその目的に向けての準備期間だったように思います。どうやったら、ニュージーランドの居住権を取得できるのかをあれこれ調べたり、貯金をしたりしました。ニュージーランド大使館に置いてあったイーキューブで、今通っている学校、NSIAのことも知りました。

永住権申請に必要な資格を取る

今年の1月に、妻と娘たちを連れてニュージーランドへ引っ越してきました。子供たちはそれぞれ、地元の小学校と中学校に入学し、妻はその保護者ということでワークビザがもらえました。私はNSIAのシェフの資格を取るためのコースへ入学。学生ビザです。残念ながら、パン職人では永住権を申請するためのポイントがもらえないのです。ですから、ポイントがもらえる、シェフの資格を取ろうとしているわけです。学校はとても楽しいです。たぶん子供たちの学校生活ととても似通っていると思いますよ。とにかく何でもまず生徒にやらせるんですよね、ここをこうやると失敗するとか、どうなると失敗でどうなると成功なのか、ということさえ最初は教えてくれません。とにかくやらされる。その結果を得て、初めてそれが、成功なのか失敗なのか、どうしてそうなったのかを学ぶのです。ほら、こっちの小学校ってそうでしょう? カルチャーの違いといえばそうなのかもしれませんが、とてもウカウカしていられない感じです。講義のときも聴く耳を立てて、しっかり集中していないと大切なコツを逃してしまいそうです。先生はマオリのシェフですが、「料理はエンターテーメント」、というのがモットーですからとても面白いです。基本的にクラッシックなフランス料理を学んでいますが、いろいろな基本のソースなど、全てが物珍しいです。繊細でかつダイナミックなフランス料理の技術をきちんと身につけたいものです。

1日、1日に起承転結がある充実した生活

ここの1年コースを終了してシェフの資格を取ったら、この国に住んでいつか自分の店を持ちたいです。オークランドでなくていい、どこか、小さくてもそのコミュニティーにどっぷり浸れるような小さい町で、ニュージーランドに合った店をするのです。それがパン屋であるか、おすし屋であるか、フランス料理屋であるかは、いまは分かりません。これから、時間をかけてニュージーランドのスタイルを学び、考えようと思います。私たち家族はまだニュージーランド生活のフタをあけたばかりですから。日本にいたときは、いつも1年先とか将来のことばかり考えて暮らしていました。それが今は全く違います。毎日のなかに起承転結があって、毎日何かドラマがあって、精一杯今日を生きている、という感じがしています。テレビを見てもロクに分からないし、ゲームもあえて日本に置いて来ましたから、家族5人で団欒する時間がたっぷりあります。のんべんだらりとした時間を5人で共有して、それを楽しんでいます。一生の間にこんな時期があってもいいのではないでしょうか。幸い、娘たちは英語も分からないのにしっかり友達をつくって明るく楽しく、たくましく過ごしています。子供のエネルギーってすごいですね。そんな子供たちに刺激されて、能動的にならないと学べない授業への意欲がわいて来るのです。 

カテゴリ:調理師/パティシエ
各種法律や移民局の規定等は改定されている場合があります。詳しくはお問い合わせください。

お問い合わせはこちら