Vol.132 ニュージーランドでレストランオーナー


オークランド、イーデン・テラスの一角、サイモンストリートに面したひっそりと、しかし真っ白に一際輝く一軒のレストランがある。それが "KAZUYA"、今最もオークランドで話題のレストラン。敢えて、何料理との看板を出さない "KAZUYA" ならではの魅力に迫る。

aic【Profile】
山内 和哉さん
KAZUYA - Owner Chef/ Director
香川県生まれ。東京にある有名イタリアン・レストランのシェフとして活躍。その後ニュージーランドへ。
昨年永住権を取得し、現在はオークランドを代表する有名レストランのシェフとして活躍。休日も常に新しいメニュー開発に励んでいる。趣味はゴルフ。

KAZUYA
193 Symonds Street, Eden Terrace
www.kazuya.co.nz
Ph. 09 377 8537

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奥様もKAZUYAのスタッフ一員として働いている。
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内装は、レストラン外観とは真逆の黒一色。シックで落ち着いた雰囲気を醸し出す。
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日本での研修期間では朝の8時から夜中の12時まで働いていた。
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フロア・マネージャーはソムリエの堀内さん。(E Cube Vol.70でインタビュー閲覧可)

レストラン業界へのきっかけ
高校卒業後に大阪へ出て、調理師専門学校に入学しました。そこで1年間、日本料理から始まり中国料理、西洋料理、またサービス関連といったお料理の基本を学びました。そこで調理師免許を獲得後、東京の広尾にある「ACQUA PAZZA」というイタリアン・レストランへ就職しました。19歳の時です。小さいころから創作意識が強かったように思います。学生の頃母がつくるお弁当を真似て、自分で卵焼きを作った時に何て難しいのだろうと思いました。それから何度か作るようになり、時々それを食べた弟が「今日は兄貴の卵焼きだ。いつもよりおいしい。」と言ってくれ、母がショックをうけることもありましたね。お料理に対する興味が強かったのか、高校生の時に本屋へ行けば漫画や雑誌コーナーではなくいつも婦人誌コーナーへ行き、料理本を手に取って読んでいました。そこに「人気のイタリアン」という本があったのですが、それに強く感銘を受けたのです。そして、その本に出ていたレストランへ就職することができました。

日本でのシェフ経験、ニュージーランドへの渡航
3日間の厳しい試験期間を終え、就職が決まりました。そこでトータル9年間、同系列のお店でサービス、お菓子セクション、調理場の下っ端と色々なことを学び、最終的に本店でシェフとして働きました。その間に、イタリア貿易振興協会から研修生として選ばれ数週間ほどイタリアへ行ったり、同僚やまた個人でもイタリア、スペイン、スイスなど色々見て周りました。そこでわかったのは、日本の技術は世界レベルで見ても高水準であるということ。色んなところを周り文化に触れることは大事だけれど、技術の習得には日本が一番だと感じました。しかし残念なことに、既に日本の料理業界は飽和状態にあり、経験のある腕の良いシェフでも必ず認められるわけではありません。そんなお互いが足を引っ張り合う日本にいる意味があるのだろうか、と苦労や頑張りが認められづらいこの日本の業界に違和感を覚え始めました。それならば認められやすい国へ行こうと。そこで、妻の英語圏が希望ということと、これからのホスピタリティーの質の向上に大いに可能性がある国、ということでニュージーランドを渡航先に決めました。

ニュージーランドでのシェフ経験、独立
渡航してからはまず語学学校に3ヵ月間通いました。シェフとしては、そこの国のやり方を学ぶことはとても重要なことだと思いますので、まずはオークランドの街中にあるRiceというレストランで3年間働きました。そこで姉妹店のkiwiのヘッドシェフの方に、kiwiが好むテイストや、こちらの魚介類の獲れる時期、業者関連の情報など色々なノウハウを学びました。その間に永住権も取得できたので、1年間かけて場所を探し、時期をみて独立しました。自分の店に対する考えは、東京で修行して学んだことが基本となっています。日本での西洋高級料理店のやり方を、そのままニュージーランドでやってみたかったのです。自分に厳しく、妥協はしない。プロのレストラン経営というのは、決まった時間内で何名ものお客様に最高のサービスを提供するということです。お料理をだすタイミングももちろん重要です。85%以上自分の納得のいくものを提供していこうと心掛けてています。

KAZUYAの魅力
従業員は皆日本人です。英語がパーフェクトにできない分言葉の説得力ではどうしても他店より劣る部分があります。その分他の面で差をつけないとお店は流行らないと思います。だからこそ、他では食べられないお料理を、また他ではまねできないサービスを徹底して行うようにしています。お店の看板には敢えて何料理、ということは書いていません。私のidentityで創る料理を食べて頂く方に、お好きなように呼んでもらえればうれしいと思っています。それをフレンチ・ジャパニーズと呼ぶ方もいれば、フュージョンと呼ぶ方もいます。色々な呼び方があっていいと思います。私は日本人なので、日本人感覚のテイストが入ってくるのはもちろんですが、わざと日本の技術や味を取り入れようという意識はありません。私が創る何にも属さないお料理を楽しんで頂ければと思っています。食材は、日本のものが上質であるのであれば取り入れるようにしています。しかし魚介類に関して言えば「いいもの」というのは獲れたその時点からの処理がきちんとできているかどうかが重要です。産地にこだわるよりも、上質のまま取り入れられるものを選んでいます。オークランド近辺でいい質のものが手に入るのであれば、それを採用しています。オリーブオイルなども、イタリアのではなく南オークランド産のものを使用しています。食文化は色々なスタイル、タイプがある必要があると思っています。お手頃価格で楽しめるお店もあれば、こうして高いお金を払ってサービスと空間を楽しんで頂くスタイルもある。どっちが上とかいうのではなく、私のお店はその一タイプに属するだけであって、そのタイプのレストランを私のお店で楽しんで頂きたいと思っています。私が考えるこのタイプのレストラン像は、映画、劇場と同じで、非日常的なエンターテイメントの場を提供できれば、と思っています。記念日や誕生日にご利用していただければうれしいです。一人一人のお客様とともに、最高のエンターテイメントの場を一緒に演出していければと思っています。

カテゴリ:レストラン/フード
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