Vol.135 鍼灸のイメージを変える鍼灸師


鍼灸師として、ニュージーランドで開業を目標に来航した松本さん。どうすれば、もっと多くの人に鍼灸を知ってもらい、治療に来てくれるのかと考えたときに、たどり着いたのは。

aic【Profile】
松本宗之
1987年2月12日生まれ。京都府亀岡市出身。
京都学園高校卒業。京都衛生専門学校 鍼灸科コース卒業
サッカー、音楽、映画鑑賞が趣味。甲本ヒロトを尊敬する。

Hands-on Massage Tharapy
http://www.hands-onmassage.yolasite.com/

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ニュージーランドに鍼灸を広めたい
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休みの日には食べ歩きを楽しむ
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仕事場がストレス解消の場
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旅行で来たニュージーランドが好きになった
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選んだ職業が天職に
高校3年生の時に、今後の進路について悩んでいたんです。そんな矢先に、友人が接骨医療専門学校に通うという話を聞いてたんです。また同じ時期に、「Once Upon a time in China」という映画を見たんです。カンフーが好きなんですよ。それで、武術家で医師でもあるウォン・フェイフォンを主人公にし、ジェット・リーが演じるというアクション映画を見た時に、憧れというかいいなぁって思ったのがきっかけですね。また、母がマッサージ師で、姉が看護師というのもあり、僕自身も人の健康に関わる仕事については、親しみはありましたね。そして、高校卒業後、京都の鍼灸専門学校に進学しました。3年間で学ぶことですが、具体的に、一年目は、生理学や解剖学などの基礎医学を学びながら、鍼・灸、基礎実技など東洋医学の基礎を学びます。二年目は、臨床医学総論・各論、病理学、東洋医学臨床論など東西医学の疾病についての考え方を学び、それに合わせた実技授業です。三年目は、これまでの知識と技術を応用し、臨床に生かせる知識と技術にしていきます。国家試験は、解剖学、生理学、リハビリテーション医学、鍼灸理論などの13課目でした。そして無事に合格し、カワモト鍼灸接骨院で2年半の経験を積みました。1年半くらいたった頃に、この仕事は天職だ、って思うようになったんです。それは、自分が鍼灸師として自信がついたっていうのもありますし、患者さんとのコミュニケーション、患者さんの回復を通してそう思えたのかもしれません。あぁ、この道に進んで良かった、って心から思いましたね。日ごろ、なんらかのストレスが溜まっても、仕事にくると、それがなくなるくらい、仕事が楽しかったんです。

鍼灸とは
鍼灸は、もともと戦国から後漢時代にかけての中国発祥なんです。身体に針や灸を用いた刺激を与えることで、疾病治療や、健康増進を可能にする医療技術で、日本では、医師のほかに、「はり師」「きゆう師」がこれを行えるんです。といっても、中国の鍼灸と、日本のでは少し違うように思います。日本の方が繊細で、治療時に痛みを伴わないことが多いです。鍼管(ストロー状の外筒で中に細い針を入れるもの)を日本では使用するので、痛みははるかに軽減されるんです。ここ、ニュージーランドも日本と同じように、鍼管を使用しています。でも、日本のように、鍼灸クリニックが飽和状態ではないので、これから数が増えて行くと思います。

ニュージーランドで鍼灸師として再スタート
去年の9月ににワーキングホリデーとして入国しました。やっぱり来た当初は、英語にあまり自信がなかったので、語学学校に3ヶ月通いました。やっぱり、コミュニケーションは大事ですからね。特に、人を治すという仕事は。患者さんの症状をきちんと理解した上で治療を行わないといけないですし、症状の説明もしないといけないので。語学学校では、もちろん日常会話を中心に勉強したのですが、やはり、鍼灸師として仕事をするということは、専門用語も必要なんですよね。やっぱり難しいですよ。常に勉強勉強の毎日です。新しく学び、得ることが毎日山のようにあります。語学学校を卒業してから、すぐに就職活動をしました。そして運良く、2月にオープンしたばかりのRemueraにあるHands on Massage Therapyというクリニックを任されることになりました。僕にとっては、嬉しく、大きなチャンスでした。このクリニックでは、ニュージーランド人の患者さんがほとんどですね。五十肩、肩こり、首のこり、坐骨神経、更年期障害を主に治療しています。新規の患者さんや、鍼灸をあまりしらない方によく聞かれるのは、「どのくらいの頻度で、何回くらい来れば治りますか?」という質問なのですが、急性と慢性・疾患の度合いによって、治療感覚、治療回数、治療期間も変わってくるので、患者さんそれぞれで、違うんです。例えば、首・肩こり、急性のぎっくり腰などの場合、1~3回で治ったりもしますが、慢性の難治性疾患のようなものは、週に1~2回の治療で数ヵ月後治療を続け、そこで初めて効果が出る場合などもあります。何人か患者さんはいるのですが、僕としてはもっと認知してもらって、患者さんの数を増やしたいと思っています。時間がある時には、ボランティアに出かけ、できるだけ多くの人に知ってもらう活動をしています。先日は、タウポでIRONMANが開催されましたので、そこにボランティアとしてマッサージをしに行きました。水泳大会なども今後あるそうなので、時間があればボランティアをさせてもらいたいです。また、それと同時に、こちらから往診に出かける訪問での鍼灸治療、マッサージも始めるつもりです。できれば数年後には、開業したいと思ってます。また、ACC(The Accident Compensation)が適応されるようになればいいなと思っています。通常、医師が事故と判断し、ACCの審査に通れば保険がカバーされます。また怪我の他には仕事に関連した健康問題も含まれるので、鍼灸においても、ACCが扱えるようになればたくさんの人が利用しやすくなりますよね。

鍼灸のイメージチェンジ
「鍼灸」って聞くと、イメージ的に、痛い・熱いなどの負のイメージで近寄りがたいものがあると思うんですよね。そういうイメージを消して、もっと気軽に足を運ぶことができるような場所に変えていきたいんです。緊迫しない雰囲気で、患者さんがリラックスできて、悪いところを治療するだけじゃなくて、新しいエネルギーも入れてあげられるような。そんなイメージにするには、クリニックのデザインなども明るく、暖かく感じるようなものにすることが必要だと思いますね。また、鍼灸で得られる効果を分かりやすく発信することも大事なんじゃないかと思ってます。何に効くのかという、情報をどうやって効率的に世間に広めるのか。単に、「○○に効く」と言っても、理解してもらうのは難しいので、「○○と比べて、効果が同等、又は、より効果的である」など、鍼灸についてあまり知らない人が聞いても、「あぁ、そうなんだ、じゃあ一度試してみようか」って思ってくれるような発信の仕方ですよね。施行錯誤しながら、まずは、今与えられた環境でできることをして夢の実現に向かいたいと思います。

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