Vol.136 英語を操れる救急救命士にステップアップするために


7年間、救急救命士として働く中で、医療現場にもっと英語が必要だと感じた山本さん。留学するなら今しかない、という直感を信じ、ニュージーランドに来航。将来は医療通訳の現場で活躍したい。そのため、語学学校だけではなく、介護施設でボランティアの一員として経験を積む彼女に話を聞く。

介護ボランティア【Profile】
山本樹 Itsuki Yamamoto
NZLC学生/介護施設ボランティア
静岡県榛原郡出身 8月18日生まれ
東洋医療専門学校 救急救命士学科卒業
掛川市消防本部に救急救命士、消防士として7年間の勤務
趣味はスキューバーダイビング、映画鑑賞、料理
今後はニュージーランド国内、イタリア旅行にいきたい


救急救命士としての7年

英語と介護ボランティア
日本は、医療通訳システムの向上がまだまだ必要だと考える山本さん
英語と介護ボランティア
色んな文化が混ざるオークランドの生活は新鮮で刺激的
英語と介護ボランティア
休みの日には、友人と買い物やビーチでBBQを楽しむ
英語と介護ボランティア
新しい発見が多い介護ボランティア
英語と介護ボランティア

 高校3年時の進路を決める時に、「救急救命士」っていう職が気になり、調べてみると、救急救命士の役目とは、「急病人・事故等で負傷者が発生した際に直ちに救急車で現場へ向かい適切な処置を行い、病院に到着するまでの間患者さんを観察し症状の悪化を防ぎ、少しでも患者さんの痛みを和らげてあげること。」この時、コレだっ!と思いました。そして、救急救命士の専門学校に入学。1、2年時は授業がメインで、こういう疾患の際には、こういう症状が疑われる、など、数多くのケースを学ぶんです。例えば、左肩が痛いと患者さんが言うと、普通では骨や筋肉の異常を疑います。しかし実際には心筋梗塞という内因性の疾患が隠れていたりするんです。症状を見落としたり、知識がないと患者さんの命に関わる事なので必死に勉強しました。3年時は、実際の現場を想定したシュミレーション実習、病院実習と国家試験対策がほとんどでした。また、救急救命士として救急車に乗る為には、消防士として消防署に勤務しなければいけないので、公務員試験対策の勉強もしました。そして救急救命士国家試験、公務員試験にも合格し、同年の4月から消防士として消防署に勤務することになりました。消防士になると6ヶ月間のトレーニングが必要なんです。ここで消防士として必要な知識・技術を学びます。6時起床22時就寝という寮生活で、非常補習で早朝や夜中にもトレーニングがあったりもしました。キツかったですね。救急救命士/消防士としての勤務体制は24時間勤務です。仮眠もできますが、いつ出動になるかわからないので、ゆっくり寝られないし、指令が入れば夜中でもすぐ起きて出動します。24時間寝られない日も何度かありました。就職当初から約3年間は、女子は私だけでした。職員は100数人いたのですが。でも女だからといって、これは重すぎて持てない、これはできない、など言いたくなかったし、男性と平等に仕事がしたかったので、いつも必死でした。消防隊員として火災現場にも出動し実際に消火活動もしました。救急救命士として、現場に向かう人数は3人です。1人がドライバーで、あとの2人が救急救命士、救命処置をします。119に連絡が入ると、救急車で現場に向います。通報内容から患者さんの状態を予測し車内で必要な資機材を揃えます。現場到着しファーストタッチで患者さんにどんな症状があり、何の疑いがあるかを調べ処置をします。そして症状と疑われる疾患、実際に行っている処置の内容を病院に伝えるんです。病院に到着するまでの間、私たちは症状を悪化させない為に何度も観察を繰り返します。判断ミスは命に関わるので、責任度はすごく大きいです。

公務員を辞めてまで留学したかった理由

留学したいっ思ったのは、救急救命士になってからでした。それまでは、英語が好きではなく、どちらかと言えば、日本にいれば英語なんか必要ないんじゃないか、って思ってたくらいです。それがなぜ変わったのかというと、救急患者さんの中に、日本語の話せない外国人も少なくなくて、どうしたらいいのか戸惑う事があったんです。病気になった時や怪我した時って、誰でも不安になると思います。しかも、それが海外だと余計に不安になると思うんです。そんな時に、もし英語が話すことができれば、患者さんの症状も分かってあげられて、励ましてあげることもできるはずです。勤務していた時にそれができなかったのが悔しくてずっと心のどこかで引っかかっていました。消防署ももっと国際化すべきじゃないのかって疑問に思い始め、そのころから留学を考え始めました。でも2年くらい迷いましたね。せっかく厳しいトレーニング、国家試験も経て、公務員になったのに、退職して後悔しないかな、という気持ちがありました。でも、やっぱり英語を学びたいって気持ちが日に日に強くなり、英語を身につけるなら海外に出た方が早い、行くなら今しかない!っていう直感を信じて、来航しました。

介護ボランティアで再度感じたコミュニケーションの大事さ

2012年の3月末で退職し、自分へのご褒美もかねて、ニュージーランド入国前にフィジーに行きました。休暇が主でしたが、学校にも通いました。その後、オークランドに来て、NZLCに入学。英語で一番の壁に感じるのは、発音ですね。単語とその意味を知っていても、正しく発音ができないと、伝わらないんですよね。学校は、英語の基盤になる文法や、表現の仕方、ボキャブラリーを学ぶ場所だと思っています。入学してから数ヶ月程経ち、少し余裕も出てきたので、以前から興味のあった介護施設でのボランティアを始めました。なぜ介護施設かというと、やっぱり人の健康に関わっていきたいし、何よりケアすることが好きなんです。施設では一緒にゲームをしたり、散歩、食事や着替えのサポートをしたり、折り紙などのアクティビティをします。先週はネイルもしました。笑顔で喜んでくれると私も本当に嬉しいです。老人の方たちと、そしてスタッフとの会話をすることで、学校でインプットした知識をアウトプットすることが出来るので、すごくいい環境だなと思います。30名くらいの老人の方がいるんですが、ほとんどキウィです。でもその中に1人、英語が話せない韓国人のおじいさんがいるんです。救命士をしていた頃に思った事を再度思いました。「コミュニケーションをとることができたら、もっとサポートしてあげられるのに」って。健康状態や意志を、言葉で伝え、誰かに理解してもらうことって、すごく大事なんです。その韓国人の方のために、少しですが、韓国人の友人に韓国語を教えてもらっています。

これから、どこに向かうのか

 日本の大都市では、救急の電話番号119の指令室で通訳を雇ってるいるそうです。将来的には、そこで通訳として職に就きたいです。そのために英語を勉強しにここに来たんですから。まずは、ネイティブ並みの英語力と英語での医療知識を身につけようと思います。相当の努力をしないといけないですが、根性は人一倍あるので、これからもこの夢を追い続けて行きたいと思っています。

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