Vol.136 ドーナツビジネスの戦略:ニュージーランド版


ニュージーランドで就学、ワーキングホリデー後、将来はニュージーランドに戻ってくると想い続け、それがある日、突然叶った。アメリカ発のドーナツブランドを運営するに至った経緯と、将来のビジネスプランを聞く。

aic【Profile】
中山将憲 Masanori Nakayama
オークランドにあるFactory Southern Maid Donut 3店舗のDirector
1972年11月11日生まれ 福岡県出身。経理麻生ビジネス専門学校卒業1999年に10ヶ月の語学留学、2001年にワーキングホリデーとして来航。そして2010年10月に就労ビザで再来航。女の子2人、男の子1人のお父さん。休日はビーチに子ども達と散歩を楽しむ。趣味はサーフィン。

Factory Southern Maid Donut
国籍豊かなスタッフの意見もたくさん取り入れ、尊重したい
Factory Southern Maid Donut
Factory Southern Maid Donut
仕事に対して、常に慎重に対応する中山さん
Factory Southern Maid Donut
自分を理解し、支えてくれる妻に感謝
Factory Southern Maid Donut
仕事のやりがいと、プレッシャーは同じくらい大きい
Factory Southern Maid Donut
Factory Southern Maid Donut
Factory Southern Maid Donut

なぜ、ニュージーランドでドーナツ?
 私がここに至るまでの経緯ですが、ニュージーランドには以前、2回長期で滞在していました。学生として10ヶ月、その後ワーキングホリデーでも滞在しました。ワーキングホリデーの後は、日本に戻ったのですが、将来、いつかはニュージーランドに戻りたいとずっと思っていました。日本では、運送会社、英会話学校、広告代理店、パチンコ店と色々な職業に就きました。その中で長く務めたのが、運送会社とパチンコ店です。休む暇もないくらいとても忙しかったです。年に3回しか休みがなかった年もありました。そんな中、ある日、突然、「ニュージーランドでドーナツショップのマネージメントをしてみないか」という話が飛び込んできたんです。その時は、もう結婚していて、子どももいたので、すぐに妻に電話でその旨を話すと、「いいんじゃない?面接にいってくれば? ずっとNZに戻りたいって言ってたじゃない」とすんなりOK。妻の器の大きさに感無量でした。話もまとまり、まず僕がニュージーランドに移住することになりました。娘たちの学校の関係で、妻と娘たちは後に来航という形になりました。Factory Southern Maid Donutは、1937年にアメリカのテキサス州でJ.B.ハーグローヴ夫妻によって設立され、現在アメリカに約110店ほどあります。アメリカ南部の謙虚な伝統を商標として「Factory Southern Maid Dunut」と名付けられました。また、エルビスプレスリーがここのドーナツのファンで唯一CMソングをてがけたお店でもあります。Factory Southern Maid Donutのニュージーランドでのライセンスは、私の社長(日本在住)が、アメリカから買いました。もともと彼は、ニュージーランドでデベロッパーとしてビジネスをしていたのですが、それにプラスで、なにか夢のあるビジネスを探してたそうなんです。商品をお客様に提供して、お客様に喜ばれるようなビジネスということで、このビジネスのライセンスを購入したそうです。が、購入したはいいが、では現地で誰が管理、経営するのか、ということで、マネージメントの知識とニュージーランドの知識があるという理由で私が抜擢されました。

ドーナツのビジネス
いざ、ニュージーランドでゼロからのビジネスの立ち上げは、予想どおり大変でした。日本とでは、ビジネスの立ち上げ方がやはり大きく違うので、何をするにも慎重に、一つ一つクリアするのに、時間もかかりました。市役所に何の書類を誰宛に出すのか、すべてがゼロからのスタートでした。また、サプライヤーからの電話、メール等も、ビジネス英語が必要になってくるので、学ばないといけないことがとにかくたくさんありました。ビジネスをスタートするまで、約8ヶ月程かかりました。現在は、ニューマーケット、シティ、ドレスマートの3店舗の直営店があります。また、週末のナイトマーケットにも出店しています。3店舗を経営して思ったことは、ビジネスモデルとしては、テイクアウト専門が好ましいかと思います。イートインも試してはみましたが、あまり需要がなかったので。ショッピングセンター内でのキヨスクのような形が適していると思います。価格設定ですが、他のお店に比べると、少し高いと思われる方もいらっしゃると思うのですが、それは、使用している材料にこだわりをもっているからです。おいしく、ヘルシーで見た目もハッピーなドーナツ作りをしています。ドーナツのトッピングには本物のチョコレートを使用しています。こちらで販売されているドーナツのトッピングはアイシングがメインで本物のチョコレートを使用しているドーナツはあまりありません。クリームもサプライヤーと試行錯誤を重ねて作ったオリジナルクリームを使用しております。また、オイルはトランス脂肪フリーのオイルを使用しています。ニュージーランドでも健康志向の方が多いので、ドーナツを食べて頂く際のちょっとした罪悪感(笑)を少しでもなくせたらなというコンセプトです。(※トランス脂肪とは、構造中にトランス型の二重結合をもつ不飽和脂肪。一定量を摂取すると、悪玉コレステロールを増加させ、心臓疾患リスクを高めると言われ、これを含む製品を規制する国が増えています。)ターゲットは基本的に国籍を問わず老若男女です。幅広い層から支持して頂くお店を目指しています。その為に、定番商品は勿論のこと、子供向け商品、大人向け商品、甘さ控えめ商品、観光客向け商品、キウィ向け商品、アジア人向け商品などを販売し、今後も定期的にそういった商品を開発し販売予定です。甘い方が苦手な方向けのセーバリー(調理)ドーナツも現在開発中です。

将来のビジネス設計
今後は、フランチャイズ店を増やしていきたいと思っています。直営店だけでは、やはり管理面と人件費のリスクもあるので。ニューマーケット店は工場も兼ねているので、そこでドーナツの製造をして、フランチャイズ店に届けるという業務に移行していけたらいいです。まだ2年と少しの新しいビジネスですので、これからもっと認知してもらえるようしていくために、マーケティング面でも工夫していく必要がありますね。テイクアウトによるまとめ買いや、スチューデント割引、スタンプを集めると特典がつく、など。また、ここはニュージーランドですので、スタッフも国籍が豊かなんです。トップダウン的な会社ではなく、皆に責任をもって、仕事をしてもらえるような現場にしたいです。今後のイベントや、新商品についても、スタッフの意見を取入れるようにしています。ビジネスの上手なマネージメントは、売上げだけではなく、そこにいるスタッフの教育も大きく関わります。また、与えられた仕事だけするのではなく、自分の意見が取入れられたりすると、やっぱりモチベーションも上がると思うんですよね。ビジネスがスタートしてからも、とても忙しく、休みもあまり取れていないですが、最初が肝心なので、必要であれば、何時でも店舗に駆けつけます。そういう意味では、日本で仕事をしていた時と同じくらい忙しいのかもしれません。ニュージーランドに戻ってこられたっていう嬉しさももちろん大きいですが、それと同じくらいのプレッシャーもあります。成功するためにニュージーランドに戻ってきたので、Factory Southern Maid Donutというブランドをもっと強くしていきたいです。

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