Vol.137 日本人がニュージーランドでサッカー選手を育てる:WYNRS


子どものころから始めたサッカー。プロとしての活躍後、次の世代にサッカーの素晴らしさを伝え、良いプレーヤーを育てたい。WYNRS(読みはウィナーズ)でコーチを務める宮澤さんが、なぜニュージーランドでサッカーなのか。きっかけ、経緯、ビジョンを聞く。

aic【Profile】
宮澤浩(Miyazawa Hiroshi) WYNRS Director of Academy

1970年11月22日生まれ。神奈川県茅ヶ崎市出身。藤沢西高等学校卒業、中央大学経済学部卒業。趣味はマウンテンバイク。ロトルアにある世界的に有名なRedwoodsという森(マウンテンバイクのディズニーランドと呼ばれる)に行くのがとても好き。

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コーチである時は厳しいが、普段はとても気さくでフレンドリーな宮澤さん
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英語は、地元の外国人の友達との会話から学んだ
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日本に里帰りする際には、昔のプロサッカー仲間と家族ぐるみで食事も
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小学4年生からのサッカー人生
  サッカーを始めたのは小学4年生のころで、チームでも4-5番目とあんまりいいプレイヤーじゃなかったんです。でも、高校生になったころから、体がガッチリとし、いいプレイヤーになり始めました。そして、大学1年の時にアンダー18の日本代表として抜擢され、その後にJリーグにスカウトされ、ジェフユナイテッド市原に所属したのは、Jリーグが一番盛り上がっていたころで、大学を卒業してすぐのことでした。その後、ベルマーレ平塚に移ったのですが、地元でもあるので、家族や地元の方たちのサポートもあり、充実していました。プロになってからのポジションはセンターバック、ストッパーでした。その後はサンフレッチェ広島を経て、オーストラリアのキャンベラ・コスモスでプレーをすることになりました。なぜ、日本ではなく、オーストラリアかというと、足のじん帯を負傷して、1年近くプレーをしていない時期があり、その時に、サンフレッチェ広島時代のコーチ、トム・セルマーニ(現アメリカ女子代表監督)から「オーストラリアでプレーをしないか」と声をかけられたことがきっかけでした。その時のオーストラリアの生活は楽しかったですね。2000年から2001年まで、このチームでプレーしました。この時に、JEF市原時代のチームメートで当時オークランド・キングスのGMをやっていたルーファー氏(WYNRSの設立者)に声をかけてもらって、ニュージーランドのオークランド/キングスに移籍しました。これが現在のウェリントン・フェニックスです。プロとしてサッカーをするということは、それが「仕事」になるわけなので、プレッシャーもあれば、凹むこともしょっちゅうありましたね。個人で失敗すると、ファンに叩かれますし、個人でいいプレーをしても、チームとして負ければ、これまた叩かれますよね。思うようにできなかったことを、次の試合でどう活かすか、仲間とどうチームワークをとっていくか、これがとにかく課題でした。やっぱりいいプレーをしないと、11人と限られたフィールドに出られないようになりますからね。 選手として引退する2~3年前くらいから、コーチになりたいと考えていました。そして、2003年にWYNRS Aucklandのコーチに主任。もちろん、コーチをするに当たっての資格は必要です。取得したのは、FA Level2 Coaching LicenceとNZFA National Coaching Licence。 

サッカーを知る
サッカーを始めるのに適した年齢ですが、ゴールデンエイジというのがあるんです。これは8歳から12歳までの年齢なのですが、心身の発達が調和し、動作習得に最も有利な時期なんです。集中力が高まり運動学習能力が向上し、難易度の高い動作も即座に覚えることができたりするんです。 また、僕が思うサッカーの魅力、面白さは、まずグローバルなスポーツであること。プレーに国民性も出るので面白いです。ニュージーランドと言えばラグビーですが、子どもや十代のサッカーチーム数で言うとラグビーのチーム数より多いんですよ。一言でサッカーと言っても、軽い感覚でスポーツを楽しみたい、本気でプロを目指したい、と考え方は様々です。後者をWYNRSでは、アカデミーと呼んでいるのですが、このチームに入部する際には、トライアル(入部テスト)があるんです。実際にWYNRSのチームに入って、プレーをしてもらうのですが、通常2回チャンスを与えます。が、大体は1回目のトライアルで見抜けます。その子に、プロとしての素質があるかどうか、というのが。「attitude(サッカーに対する姿勢)、skill (基本技術)、athletisim(運動能力)」の3つが揃ってるかどうかなんです。

WYNRSでのコーチングとWYNRSの選手
この国ではサッカーの育成年代でプロのコーチがきちんと教えているというケースはあまりないと思います。私のコーチ哲学はやはり自分が育った日本から来ています。実は日本の育成年代のコーチングのレベルは世界でもトップレベルにあります。ですから、プロの指導者として他にはないきちんとした指導はできていると思っています。また、この国で日本人の私にしかできない細かな指導もできていると感じています。ニュージーランドの子ども達は素直なので、反応もよく返ってくるし、一人一人がどこに向かいたいのかもよく分かるんです。 今年は、WYNRSから16人の選手がNike Cupオセアニア代表決定戦に出場、そしてそのゲームに勝てたので、今年8月にマンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップ(毎年8月にマンチェスターで開かれる中学生年代を大将としてクラブチームによるサッカーの国際退会)に出場することになっています。このチームにConnor Shimoda君(お母さんが日本人)という日本人らしいプレーができる選手がいます。彼は、Jリーグの柏レイソルからも注目されている選手です。また、過去の選手の中に、フィッツジェラルド・マイケル・ジェームス(1998年生、日本名ではマイケル・ジェームズ)という選手がいるのですが、彼は11歳から、WYNRSに入り、16歳になるまで私がコーチをしました。そして、その後、彼は東京の成立学園に3年留学し、現在はアルビックス新潟に在籍し、ファーレン長崎に期限付きでレンタルされています。これからも、いい選手を育てて、世界に送りたいですね。

この人が宮澤コーチが仲のよいサッカー選手!
みなさんご存知のヒデこと、中田英明選手。有言実行する選手です。そして、彼は、人一倍の努力者。これは、彼の実績や、プレーをみても分かると思うのですが、実は、すごく潔癖性だったりするんです。彼の自宅に遊びに行った際など、部屋に置かれてるモノが、キレイに並んで整頓されているんですよ。テレビ、DVDのリモコンもキレイに並んでいないと嫌なタイプで、そのまま放っておくと叱られたりしました(笑)。

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