Vol. 179 特集

2017年の日本とニュージーランド - 前編 -


在オークランド日本国総領事館 横山佳孝総領事

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 日本とニュージーランドが外交関係を樹立してから、2017年で65周年を迎えます。ニュージーランドに住む約470万の人口のうち、日本人は約18,000人。数の面では決して多いとは言えませんが、ニュージーランドにおいて日本の文化や産業は着実に浸透し、親しまれています。長きにわたり友好関係を築いてきた日本とニュージーランド。2017年は両国にとってどんな年になるのでしょうか。ニュージーランドでのこれまでの取り組みや今後の抱負について、在オークランド日本国総領事館の横山佳孝総領事をはじめ、7人の方に語っていただきました。

外交から草の根まで密接なつながり
スポーツを通じてさらなる関係強化を

 

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 日本とニュージーランドは、自由、民主主義、市場経済、法の支配など、基本的な価値観を共有しています。アジア太平洋地域の中でも、こうした基本的価値観を共有している国はそう多くありません。ここ数年は首相や外務大臣レベル、閣僚クラスの相互訪問もあり、政治面においても密接な関係にあると言えると思います。
 現在、40以上の日本の自治体がニュージーランドの自治体と姉妹都市関係を結んでいます。2016年は福岡市とオークランドの提携30周年の記念の年で、これに合わせて福岡市長がオークランドを訪問し記念行事が行われました。2017年は別府市(大分県)とロトルア、箱根町(神奈川県)とタウポがそれぞれ提携30周年を迎えます。
 また、外国の青年を日本へ招致し、英語教育や自治体の国際業務に携わってもらう「JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Program)」が2016年で30年目となりましたが、ニュージーランドからはこれまでに3,000人(オークランドからは1,100人)が参加しています。ニュージーランドの人口を考えると、3,000人というのは相当大きな数です。JETプログラムに参加した人たちが帰国後も橋渡し役として2国間の関係を支えてくれています。
 政治や経済・ビジネス、そして草の根レベルにおいても、日本とニュージーランドは重層的な関係だと言えるでしょう。

 

 

ニュージーランドで暮らす日本人のために

 ニュージーランドには約18,000人の日本人が生活していて、オークランドにはその半数の約9,000人が暮らしています。領事館ではさまざまな領事事務を行っているわけですが、今年は領事館のホームページの内容をかなり充実させました。例えばDVや児童虐待、子どもの親権などの家庭問題に関するものから、ニュージーランド内で発生した主な詐欺事件の解説、オークランドでも最近問題になっている高齢者介護への対応として、各施設の特徴の紹介や相談機関リストなどを公開しています。こういった情報を有効に活用していただきたいと思います。また、最新の治安状況等を報告し、意見交換を行う安全対策連絡協議会も引き続き開催していきます。
 両国間の経済・ビジネス関係促進の観点から、日系企業の支援も領事館の業務の1つです。今年はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)活用セミナーをJETROと共催し、TPPの内容等の情報を企業に向けて提供したり、二水会とJNZBC(日NZ経済人会議)との懇親会や企業関係者の講演会を当館施設で開催しました。今後も日系企業がニュージーランドでしっかり活動できるように引き続きサポートをしていきたいと思います。
 オークランドで暮らしていると、多文化共生社会を尊重する国際都市から学ぶことが多いと感じます。同時に、多文化共生社会を維持、促進していくためには、各国コミュニティーの努力が求められると考えています。日本人コミュニティーがさまざまな活動を通じ、貢献していることを嬉しく思います。

 

 
「スポーツ交流」が今後のキーワード

 今後の両国関係を象徴するのは、スポーツ交流だと思います。ラグビーワールドカップや東京オリンピックといった大きな大会が数年後に控えているので、ニュージーランドの日本への関心は今後一層高まってくるでしょう。そういった好機を活用し、両国の関係をさらに強化できればと考えています。
 日本とニュージーランドはお互いにスポーツ交流プログラムを用意しています。日本政府が取り組んでいる「Sports for Tomorrow」の活動で、今年はニュージーランド野球連盟に寄贈するボール1,200個の日本からオークランドまでの輸送料を支出したり、福島県で開催されたU-15世界野球選手権では、ニュージーランドチームの日本滞在費をこのプログラムから負担しました。反対にニュージーランド側は日本の高校生らを招待し、午前は英語の勉強を、午後はラグビーを体験するプログラムを用意していて、これには100人以上が参加しています。
 スポーツ以外にも、JAPAN DAYや日本映画祭、オークランド市内の高校生を対象とした日本語スピーチコンテストなどのイベントの開催、支援を通してニュージーランドに日本をアピールしていきたいです。また、ニュージーランドで人気を集めている日本のアニメやコスプレといったポップカルチャーについても留意していきたいと思います。やはり基本は人と人との関係から始まります。人的関係構築を今後も進め、相互理解と信頼関係を深めることを通じて、日本とオークランド及びニュージーランドとの関係を更に強化するために微力を尽くしていきたいと考えています。

 

カテゴリ:特集
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