Vol. 182 NZ式就活メソッド

第2回 業界研究・自己分析をしよう


メインイメージ

Migrant Action Trustについて(話・西村達男)

http://www.migrantactiontrust.org.nz

 2003年設立のNGO。「移民の国」ニュージーランドにおいて移民が抱えるさまざまな問題の解決をサポート。日本語での仕事探しセミナーも年に数回開催している。

就職活動の第一歩は情報収集から

 ニュージーランドは「人よりも羊の数が多い国」と言われ、農業や酪農が産業の中心のようなイメージがあるしれません。しかし、実際に産業構造を見ると、第三次産業(金融、不動産、観光、教育、医療福祉、IT、ホスピタリティーなど)が占める割合が大きい先進国型の経済になっています。したがって、日本で経験したことを生かせるチャンスは大いにあると思います。ただ、仕事分野は同じだったとしても、仕事のやり方が違ったり、医療職のようにニュージーランドで資格を再取得しなければならない場合もあります。
 ニュージーランドの労働市場については、「Careers New Zealand」(https://
www.careers.govt.nz)という政府運営のサイトに、職種別の仕事内容、求められる資格、平均給与、求人需要、将来性などが詳しくまとめられていますので、就職活動を始める前にぜひ確認しておいてください。
  

自己分析なくして成功なし182-11.jpg

 自分のスキルがニュージーランドでどの程度評価されるのか、ということはなかなか分かりづらいかもしれません。しかし、いずれにしてもこれまでの経験や実績、強みや弱み、これからやりたいことを「棚卸し」し、客観的に自分を分析するのは、良い就職活動をするためにとても大切です。その際、できれば英語圏の仕事事情に詳しい人に協力してもらいながら、詳細かつ具体的に、自己分析した内容を整理していきましょう。そして、それをきちんとした英語に直しておけば、後でCVを書く際や面接の準備をする際にそのまま活用できます。
 前回お話しした通り、ニュージーランドでは一人ひとりが「会社の中のゼネラリスト」というより、「専門分野のスペシャリスト」として働いています。日本では新入社員の研修や教育はじっくりと時間をかけて行われますが、ニュージーランドでは対照的に、新人であってもすぐに現場に配属され、即戦力として活躍することを期待されます。
 また、自分の専門分野を持っているということは、その仕事が好きで、「パッション(情熱)」があるから働いていると見なされます。その仕事に求人の需要があるかどうか、自分のスキルがマッチしているかどうかも把握する必要がありますが、仕事に対して「パッション」を持てるかどうかについても、自分とよく対話した上で判断するのがベストです。
 

マーケティングの発想で業界研究を

 働きたい業種や職種を絞ることができたら、業界や会社について情報収集をしましょう。その際、同じ分野で働いている先輩を探し、お願いして現場の声を聞いてみるととても効果的です。これを「informational interview」と呼びます。
 業界研究や会社研究をする際には、前回触れたように、マーケティングの発想を取り入れると役に立ちます。まず、自分のスキルを「商品」、雇用主を「顧客」に見立てます。そして「顧客」がどんなニーズを持っていて、どんな問題を抱えているのかをリサーチします。その上で、「顧客」のニーズを満たすためにはどんな「商品」が求められているのかを、顧客目線でよく考えてみます。そうすることで、自分が雇用主に提供できるメリットやベネフィットが何であるかが明確になり、就職活動の「軸」ができます。応募先を探す際、自分をアピールする際、スキルアップを目指す際などに、適した判断をしやすくなりますので、ぜひ試してみてください。


182-11_02.jpg積極性と粘り強さが鍵

 実際の仕事の応募には、多くの人がSEEK、Trade Me、Joraなどの求人サイトを使っています(日系企業への就職ならNZdaisuki.comなどの日本語サイトに情報が豊富です)。また、全国紙、エリア紙の求人欄も活用できます。ちなみに、業界単位や企業単位で、最新の求人情報をメール配信しているサービスもありますので、自分の専門分野に関わるものを見つけたらメーリングリストに参加しておきましょう。
 また、リクルートメントエージェンシーも活用することができます。前述の「Careers New Zealand」の「Job vacancy and recruitment websites」のページには、リクルートメントエージェンシーの詳しいリストも掲載されています。ただし、リクルートメントエージェンシーに登録しただけではなかなか声が掛からないことも多いので、自分の方から積極的にリクルーターに連絡し、情報やアドバイスを求める姿勢が必要です。
 ニュージーランドは人口が少ないということもあってか、他の人との個人的なつながりをとても大切にしています。仕事探しでもそれは同様で、多くの雇用主が、友人や知人を頼って人を探しています。その結果、公開されない求人(「Hidden Job Market」と言います)が労働市場のかなりの割合を占めています。つまり、他の人とのつながりを増やすことが、就職活動を成功させる一つのポイントになるということです。次回は、人とのつながりを通じて仕事を探す方法についてお話しします。

カテゴリ:NZ式就活メソッド
各種法律や移民局の規定等は改定されている場合があります。詳しくはお問い合わせください。

お問い合わせはこちら