弁護士見解3:PRESTIGE LAW - 技能移民カテゴリーでの移民法の改定の概要・方向性について


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 4月19日に発表があった技能移民カテゴリーでの移民法の改定の概要と方向性について、各種ビザの申請手続きなどを行っているPRESTIGE LAWに解説していただきました。

 PRESTIGE LAWは、2006年に台湾出身の汪君尊(Mrs Royal Reed)弁護士により創立され、海外投資、不動産・ビジネス売買、ファミリートラスト、移民・ビザ関連、各訴訟等、幅広い法律分野のリーガルサービスを提供しています。
 オークランドCBDに位置するメインオフィス、ならびにアルバニーオフィス、台湾、北京、上海にもマーケティング、コンサルティングスタッフを構え、アジアとニュージーランドの架け橋の役割を果たすべく、グローバル視点に立った業務を展開しています。

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 2017年4月19日、マイケル・ウッドハウス移民大臣は技能移民(SMC = Skilled Migrant Category)での移民政策の改定を発表しました。2016年10月の「技能移民」「ペアレント・カテゴリー」の変更に続く改正となります。4月19日の発表で明らかになったのは、ニュージーランドの移民政策における変更点の概要および方向性で、移民局は2017年6月に具体的な情報を発表する予定であるとも述べています。新政策は同年8月14日施行となります。


移民政策変更の目的

 ニュージーランド政府および移民局は、移民政策をニュージーランド経済の発展のための方策と位置付けており、今回の動きは移民の技能の多様化を図ることで労働市場への貢献度を向上させるための包括的な改定であるとうたっています。
 今回の変更のうち最も大きな改革は、技能移民のカテゴリーに収入面での要件が導入されるという点です。規定の年収額を含む細かい内容については、1.収入の項目にまとめてありますのでご覧ください。そのほか、さまざまな点において変更が加えられることが発表されましたので、以下に情報を整理します。

1. 収入

 技能職の定義に「年収」という概念が加えられました。移民局では二段階の年収設定をしていますが、年収がNZ$48,859に満たない場合は、技能移民として申請できないということが明示されています。年収が設定された額を上回っているかどうかがこのカテゴリーを通してレジデント・ビザを目指す場合の最低条件となります。
 今回、年収での基準を導入したことに伴い、移民局は年収の中央値の1.5倍以上の収入(NZ$73,299以上)がある場合、これまで技能職業の定義に入っていなかった仕事に就いている移民にもレジデント・ビザ申請の門戸を開くと発表しています。
 なお、今回基準値として発表されたNZ$48,859は、現在のニュージーランドの年収金額の中央値で、この額は毎年、所得の変動に基づき更新されます。

・年収がNZ$48,859(時給NZ$23.49)以上の場合、ANZSCO* スキル・レベル1、 2および 3の職業に対するポイントが認められ、ポイントが申請できる
・年収がNZ$73,299(時給NZ$35.24)以上の場合、ANZSCO スキル・レベル1、 2および 3以外の職業についている場合でも、職業に対するポイントを申請できる可能性がある
・年収がNZ$97,718.00(時給NZ$46.98)以上の場合、ボーナスポイントが付与される

※ANZSCO(Australian and New Zealand Standard Classification of Occupations)
 スキルを基に職業を分類しており、ニュージーランドで技能移民としてレジデント・ビザを申請する場合は、スキル・レベル1〜3に該当する職業であることが求められます。

http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/Latestproducts/1220.0Search02013,%20Version%201.2

 

2. ポイント

 ニュージーランドの移民政策は「ポイント・システム」と呼ばれ、レジデント・ビザの申請の第一段階のEOI(Expression of Interest)では、合計ポイント160以上が求められます(2017 年4月現在)。
 今回の改定では、技能、職歴、年齢等で計上できるポイントが変わること、これまで認められていたポイントの一部が廃止されることが発表されました。現時点では方向性は示されたものの、具体的なポイントが提示されておらず、ポイントについては6月に予定されているニュージーランド移民局からの追加発表を待たねばならない状況です。

【ポイントが上昇する要件】
・技能職の経験に対するポイントは過去よりも高くなるが、対象はANZSCO スキル・レベル1、 2および 3についてのみである
・NZでの職務経験が12カ月かそれ以上の場合ポイントが付与されるが、2年以上の職務経験に対する追加ポイントはない
・30〜39歳の申請者に対する年齢ポイントを厚めにする
・Level 9もしくは10の、大学院卒(マスターもしくはドクターの学位)で、認可されている大学での資格に対するポイントは高くなる
・パートナーの資格に対するポイントが認められるのは、学士レベルかそれ以上、もしくは認可されている大学で取得した大学院(レベル9かそれ以上)の資格に対してのみ

【ポイントがなくなる要件】
・absolute skills shortageと呼ばれる人材不足が著しい分野の資格に対するポイント
・成長が予測される分野での技能就職、職務経験および資格に対するポイント
・ニュージーランド国内に近親者がいることに対するポイント

【その他、ポイントに関する変更】
 「ジョブオファー(内定)」と就業中の仕事との間のポイント差がなくなります。現行政策では、ジョブオファーに対しては50ポイント、就業中の場合(12カ月以上の契約で)は60ポイントが付与されていましたが、同数になる予定です(具体的な数値は未発表)。


3.変更のない要件

 今回の移民局の発表によると、「健康」、犯罪歴等を問う「品格」、「英語レベル」に対する要求はこれまでの政策を継続するということです。


 2016年10月以降、EOIの通過ポイントは160と設定されていましたが、このポイントも変更となる可能性が示唆されています。決定するのはニュージーランドの移民大臣で、時事の必要性に応じ通過ポイントが変わる可能性があるというものの、具体的な数値は示されていません。
 また、8月14日の新政策への切り替え時点で、レジデント・ビザ申請中の各段階にいる申請者に対する処遇についても現在移民局で検討中ということで、ポイントの詳細と合わせて、6月に予定されている変更内容の詳細の発表が待たれます。

 なお、今回発表された技能移民カテゴリーでのレジデント・ビザ申請に関する変更により、このカテゴリーでニュージーランドのレジデント・ビザ取得を目指している方は、より正確な情報・対応方法等を得るために、移民ビザを扱う弁護士事務所等にご相談することをおすすめします。


情報:https://www.immigration.govt.nz/about-us/media-centre/news-notifications/skilled-migrant-category-changes

カテゴリ:ビザニュース
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