Vol. 183 特集

特集1:南半球初オーロラフライト就航

写真家 中村太一さんインタビュー


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 夜空を彩る光の舞・オーロラ。「より近くでオーロラを見たい」ー。世界中のオーロラファンたちの熱い思いが旅行会社、航空会社を動かし、3月23日、南半球では初となる一般向けのオーロラ観察フライトが南島のダニーデンから飛び立ちました。オーロラフライトの就航に企画段階から携わり、フライトに搭乗したオーロラ写真家の中村太一さんにお話を伺いました。

中村太一さん
オーロラ写真家(traceoflight photography)

1972年、東京都生まれ。幼少期をアラスカとニュージーランドで過ごす。1999年から世界を旅し、2003年にニュージーランド・オークランドへ。フリーランスカメラマンとして活動し、2012年に拠点をダニーデンに移す。南天の星空とニュージーランドの大自然の魅力を世界に発信すべく撮影を続けている。
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「離陸してから程なくしてオーロラが姿を見せました。それは時に機上にあったり、時に機体と並行して、さまざまな表情を見せてくれました」


 3月23日、ダニーデン空港には世界中から天体愛好家たちが集まり、搭乗の時を心待ちにしていました。今回のフライトへの注目度は高く、チケットはエコノミー2席で3,950ドル、ビジネス2席で8,500ドルという価格にもかかわらず、販売開始直後に全席が完売。130人以上の乗客の中には小中学生を含む家族連れの姿があったり、日付変更線を二度またぐフライトだったため誕生日を迎える瞬間を二度経験したいという目的で参加した人もいました。

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 南半球で見られるオーロラは「サザンライツ」などと呼ばれ、通常ニュージーランドの南とタスマニアの上空の低緯度帯でしか観測されません。北半球の極域で観測されるオーロラとは異なる点が多く、その珍しさから注目を集めています。今回のフライトは「チャーターした飛行機でオーロラにより近づいてみたい」というオーロラファンたちの純粋な希望から出発。仕掛け人は、オタゴ博物館館長のイアン・グリフィンさん。前NASA(アメリカ航空宇宙局)のスポークスマンで、オーロラファンの一人でもあるイアンさんの発案に賛同者が集い、旅行会社を間に挟む形でニュージーランド航空と交渉。今回の企画のためだけにダニーデン空港とニュージーランド航空が夜間運営するという特別な協力体制が叶いました。

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 午後9時、夜空へと思いを馳せる乗客たちを乗せた飛行機が離陸。照明が最小限に抑えられた機体の窓の外にオーロラの姿が見えると、乗客から歓声が上がりました。「窓のすぐ横に見えるオーロラは圧倒的な存在感でした。オーロラ帯に近づくにつれて、まるで竜巻の白い渦に入っていくかのような緊迫感も覚えました」と中村さんは振り返ります。

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 オーロラは約6時間に渡って観測され、機内では著名な写真家による星空の撮影方法のワークショップも行われました。フライトの様子や撮影された映像は国内外のメディアで取り上げられ、反響を呼んでいます。
 企画から携わった一人として「とにかく無事に成功したことに感無量です。約6時間と長時間に渡ってオーロラを見ることができて良かった」と中村さん。当初は1回のみのフライトの予定でしたが、継続の話も浮上しているとのこと。今後、南の空にますます関心が高まります。

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カテゴリ:特集
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