Vol. 184 NZで働く

第4回 CVを作ろう


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Migrant Action Trustについて

 2003年設立のNGO。「移民の国」ニュージーランドにおいて移民が抱えるさまざまな問題の解決をサポート。日本語での仕事探しセミナーも年に数回開催している。
http://www.migrantactiontrust.org.nz/

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tatsu.migrantaction@xtra.co.nz

CV≠日本の履歴書

 CV("Curriculum Vitae" "Resume"とも言います)は、日本で使われている「履歴書」「職務経歴書」「自己PR書」などを合わせたような書類です。通常、Wordなどのライティングソフトを使い、A4サイズで作成します。応募先から指定されている場合を除き、CVの書式や書き方には特別な決まりはありません。ちなみに、生年月日、性別、出身国などの情報は必要がなく、顔写真の添付も求められません。
 仕事に応募する際には必ずCVを送付し、書類審査を受けます。CVの内容が応募先が希望する水準に達していれば、応募者は面接や筆記試験に呼ばれることになります。このように、ニュージーランドにおけるCVは自由度が高く、書き方次第で評価も変わります。公的な文書というよりは、自己アピールを目的としたマーケティング・ツールと捉えてもいいと思います。

スキルの「棚卸し」から始まるCV作り184shukatsu-22_01.jpg

 CVを書く前に、自分のキャリアを「棚卸し」することは非常に重要です。勤務先、職務内容、具体的な成果・実績など、あらゆる事柄を思い出して書き留めましょう。棚卸しは骨の折れる作業で、人によっては何日もかかるでしょう。できれば誰かにお願いして手伝ってもらいましょう。自分を客観的に見直す機会にもなりますし、自覚していなかったスキルに気付くこともあるはずです。棚卸しした内容は、ふさわしい英語の表現にして整理していきます。なお、英語で実績を記述するには"Action Verbs"と呼ばれる一連の動詞を使うと効果的です。
 1つCVを作ってそれをどの会社にも使うのは簡単ですが、雇用主の期待に応えられる可能性は低くなります。日本とは異なり、ニュージーランドでは職種別の採用が基本で、募集も「ポジション」(ポスト)単位で行われることがほとんどです。ポジションにはタスクやスキル要件が定められていますので、採用担当者は応募者がスキル要件を満たしているかをCVを見て判断します。したがって、CVを応募先ごとに「テイラーメイド」した方がチャンスは大きくなるのです。

良いCVはシンプルでコンパクト

 採用担当者は書類審査で一度に数十通から百通以上のCVに目を通します。一通あたりにかける時間は30秒から1分程度でしょう。それを踏まえ、CVはコンパクトに、2〜3ページの分量に収めることをおすすめします。
 CVにはいくつかの型(フォーマット)があります。「クロノロジカル・フォーマット」というフォーマットは、職歴や学歴を新しい順に並べて、勤務先ごとの担当業務や成果を書き出します。一方、「ファンクショナル・フォーマット」では、スキルや経験を箇条書きで並べ、職歴や学歴はそれとは別にまとめます。Migrant Action Trustではこのフォーマットをおすすめしています。
 ファンクショナル・フォーマットを使うと、募集広告や職務記述書(Job Description)のスキル要件に合わせながら、自分のスキルや経験をまとめていくことができます。募集広告や職務記述書を「発注書」、CVを「納品書」と例えると分かりやすいかもしれません。相手が「鉛筆が100ダース必要です」と書いていたら、「私は鉛筆100ダースを過不足なく納品できます」と応えるイメージです。また、読み手の注意は特に1ページ目に注がれますが、そこで自分のスキルを売り込めるというメリットもあります。
 どちらのフォーマットを使う場合でも、1ページ目の最上部は、氏名、連絡先、志望動機("Objective""Personal Statement"などと言います)を簡潔に記します。そしてスキル、職歴、学歴などの項目に次いで、資格、ボランティア経験、趣味・特技などを記載すると良いでしょう。また、最後の項目でレフェリーの情報を提供します。

説得力とインパクトが大事184shukatsu-22_02.jpg

例えば、"Excellent communication skills" や "Friendly" などはCVでよく使われる表現です。ただ、こういった概括的な表現は、それだけだとインパクトがなく、せっかくのスキルや長所が具体的に伝わりません。そうならないためには、自分にしか書けない、一歩踏み込んだ表現が必要になります。ポイントは、スキルや経験に「証拠」を盛り込んでいくこと。例えば、「スタッフのマネジメント経験がある人」が求められていれば、「前職で5人の部下がいて、このような教育研修を実施して、パフォーマンスが30パーセント上がりました」といったように、数字で説明したり、明確な実績を付け加えて説得力を持たせましょう。
 なお、全く同じ文章でも、レイアウトを変えるだけで印象がガラリと変わります。左右のインデントや行間隔をきれいに揃え、文字も詰め込まないことで、レイアウトがすっきりし、一瞬で目を引かれる読みやすいCVになります。また、スペルミスがないことも重要ですので、できるだけネイティブに確認してもらいましょう。
 今まで連載でお伝えしてきた通り、「マーケティング」の発想はCV作りにも有効です。雇用主目線で期待されているスキルや人物像を把握して、ポイントを押さえたCVを書きましょう。

(話・西村達男)

 

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