弁護士見解7:PRESTIGE LAW - 技能移民部門でのレジデント・ビザに関する新方針について


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 8月17日に発表された技能移民部門でのレジデント・ビザに関する移民方針の内容について、各種ビザの申請手続きなどを行っている「Prestige Law」に解説していただきました。

 PRESTIGE LAWは、2006年に台湾出身の汪君尊(Mrs Royal Reed)弁護士により創立され、海外投資、不動産・ビジネス売買、ファミリートラスト、移民・ビザ関連、各訴訟等、幅広い法律分野のリーガルサービスを提供しています。
 オークランドCBDに位置するメインオフィス、ならびにアルバニーオフィス、台湾、北京、上海にもマーケティング、コンサルティングスタッフを構え、アジアとニュージーランドの架け橋の役割を果たすべく、グローバル視点に立った業務を展開しています。

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 2017年8月17日、ニュージーランド移民局は、技能移民部門(SMC:Skilled Migrant Category)のレジデント・ビザに関する方針の変更内容を発表しました。ニュージーランド人が仕事を得ることを優先しつつ、併せてニュージーランドが継続的に経済成長するために必要な移民を誘致するというのが変更の目的です。新方針の施行はいずれも8月28日です。

1. 変更の重要点

ー技能職の定義付けに年収という規定が加えられた

 ・ANZSCO*1 技能レベル1、2および3の職業に就いている場合、時給*2で$23.49、年収$48,859(週40時間労働)の所得を得ていること

 ・ANZSCO 技能レベル1、2および3以外の職業に就いている場合、時給で$35.24 、年収$73,299(週40時間労働)の所得を得ていること

ー時給で$46.98、年収$97,718(週40時間労働)の所得を得ている場合、ボーナス・ポイントが付与される

ーニュージーランドで12カ月以上技能職に就いていた場合は10ポイントが与えられるが、2年以上就労していてもポイントの加算はない

ーNZQA Level 9と10の大学院卒業資格(修士号および博士号)に付与されるポイントは70ポイントに増える

ー30〜39歳の申請者に付与される年齢ポイントが30ポイントに増える

ー申請者のパートナーの資格についてのポイントは、学士以上の学位か、大学院卒業資格(NZQA Level 9と10)に対してのみ

ー下記の3点に対するポイントが削除される

 ・将来成長が見込まれる分野での就職、職務経験および資格に対するポイント

 ・人材が著しく不足している分野での資格に対するポイント

 ・ニュージーランドに近親者がいる場合のポイント

 レジデント・ビザの申請手順および手続き方法、EOI(Expression of Interest)の通過ポイント、犯罪歴、健康、英語能力に対する要件については変更はありません。EOIの通過ポイントは160ですが、ポイントについてはその時々の情勢に合わせ移民大臣が変更を加えます。

2. 技能レベルと収入について

 今回の改定では、技能レベルを測る定義として収入の基準が導入されました。これにより、過去、ANZSCO*1の技能レベル1、2および3の職業に従事している移民にだけ認められていた技能移民でのレジデントビザ申請が、それ以外の職業についている移民にも認められるようになりました。下の表を参照ください。

 収入の判断基準は年収ではなく、時給で設定されています。雇用契約書に年収が示されている場合は、その金額を52週で割り、さらに契約書に記載されている1週間の拘束時間で割ります。

【時給計算方法】 

ー契約書に時給で表記されている場合は、その数値を適用する

 ー契約書に年収および1週間の労働時間が記載されている場合の計算方法は下記の通り
 年収÷52週÷1週間の労働時間=時給金額
 例)年収$55,000、週40 時間労働の場合
   $55,000÷52週÷40時間/週=$26.44/時間

ポイント 収入(時給) ANZSCO
技能職ポイント 50
時給$23.49
(年収$48,859)以上
技能レベル1、2および3の職業
時給で$35.24
(年収$73,299)以上
技能レベル1、2および3以外の職業
ボーナスポイント 20 時給で$46.98
(年収$97,718)以上
規定なし

※時給は週40時間労働で算出



 収入が特に高い場合、ボーナスポイントとして20ポイントが認められるようになりました。なお、収入の規定値については、毎年11月にニュージーランドの収入データに基づいて改訂されていく予定です。

3. 技能職 の経験・資格について

 今回の改定で移民局は、技能職の経験と資格に対するポイントを以前よりも高く設定しました。技能職の経験に対するポイントは、ニュージーランドで就労している技能職と同じ職業を海外で経験していた場合、従来よりも最大で20ポイント高いポイントを申請できるようになりました。また、資格についても大学院卒業資格に値するNZQA Level 9と10に対しては、これまでよりも10ポイント高い70ポイントが与えられます。

4. レジデント・ビザ申請中の方への対応

 すでにレジデント・ビザを申請中の方に対しては、その段階ごとに対応が変わります。

ー提出したEOIがプール(EOIが選出されることを待っている申請者のリスト)に含まれている場合:移民局は、新方針に基づき再度EOIを提出することを呼びかけています。EOI再提出の申請費用は免除されますが、新方針では通過ポイントに達しないなどのケースでも、EOIの申請料は返金されません。また、EOIを再提出しないと、そのEOIが審査を通過することはありません。

ーITA(Invitation to Apply)を受け取り、書類を準備している場合:従来の移民方針に従って書類が審査されます。Invitationに書かれている期日までに必要書類を提出して下さい。

ーすでにITAで求められている書類を提出済みの場合:申請書類を提出したとき有効であった移民方針で書類が審査されます。

 今回発表された技能移民でのレジデント・ビザに関する移民方針の改定は、詳細かつ多岐にわたる内容となりました。今後、ニュージーランドでレジデント・ビザの取得を目指している方は、より正確な情報・対応策等を得るために、移民ビザを扱う弁護士事務所などにご相談することをおすすめします。

ANZSCO*1:Australian and New Standard Classification of Occupationの略称。スキルを基に各職業を分類している。http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/Latestproducts/1220.0Search02013,%20Version%201.2

時給*2:契約書に記載の給与金額に給与に控除や手当が含まれている、週の拘束時間に幅があるなど、不明確な要素がある場合の時給の計算については専門家にご相談ください。

 この記事の内容は、2017年8月17日ニュージーランド移民局が発表した技能移民とエッセンシャル・スキル・ワークビザに対する要件の改定内容をまとめたもので、法的アドバイスとはみなされません。法的アドバイスは、個人の方の状況に応じて個々に提供させていただきます。

資料:

https://www.immigration.govt.nz/about-us/media-centre/news-notifications/smc-and-essential-skills-policy-details

https://www.immigration.govt.nz/about-us/media-centre/news-notifications/smc-and-essential-skills-policy-details/skilled-migrant-details



カテゴリ:ビザニュース
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