Vol. 187 NZ保険コラム

第5回 ACCを知っていますか?

ニュージーランドの保険のハナシ


新田直人

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 ACC(The Accident Compensation Corporation)は、仕事中の事故やけが、交通事故、スポーツでのけがなども対象に、治療費だけでなく生活補償なども含め、人身被害を幅広く保障するニュージーランドの社会保険制度です。今回はACCで保障されるもの、注意が必要なポイントについて解説します。

新田直人
 ニュージーランド政府公認のファイナンシャルサービスプロバイダー。AIA Financial Services Network所属のFSNシニアアドバイザーとして、医療保険や死亡、疾病保障といった生命保険からワーキングホリデーや旅行者向けの保険、留学生保険などを扱う。

ACCの仕組みとは

 ACCは給与や国の財源による基金で成り立っています。基本的には保険制度と同じで、会社や自営業者には「LEVY」を支払う義務があり、収入のない主婦、子ども、学生、旅行者は税金で負担しています。また、LEVYは車の登録費用にも含まれています。ACCは滞在資格に関わらず、ニュージーランドにいる全ての方を保障の対象としています。

ACCで保障されるもの

 ACCでは、事故でけがをした場合の治療費が保障され、経過によって自宅での療養のサポートも対象になります。また、けがが原因で仕事に行けない場合の収入が補填(ほてん)され、本来の収入の80%までの給付を受けることができます。
 そのほか、通院費、身体的リハビリテーション、就業支援や再訓練、社会復帰のリハビリテーション、自立手当や介護サービスも対象で、けがや傷害によっては、住居や車の改造費用なども対象になることがあります。
 また、障害が残った場合には、程度に応じて一時金が補償されます。万が一死亡した場合には、葬祭料が支払われ、残された被扶養者への所得補償があります。
けがに対する保障について詳しくは▶︎ https://www.acc.co.nz/im-injured/

ACC、ここに注意

 注意すべき最大のポイントは、ACCの保障対象はけがだけで、病気は対象外ということです。「ACCがあるから収入は大丈夫」と聞くことがありますが、病気の場合の生活保護のサポートはACCとは関係ありません。
 また、大抵の病院では50〜100ドルほどの手数料を請求されます(この額はGPによって変わり、ふつうは掲示してあります)。このため、現実的には全く負担がないというわけではありません。保障があるのに費用が掛かるのが釈然としない方もいるようですが、ACCも患者に対してこの請求を認めています。特に旅行者の場合、帰国のための費用などは含まれませんし、公立病院でも費用が掛かるので、「ACCがあるから旅行保険は必要ない」というのは大きな誤解です。
 加害者や過失の有無に関わらず、事故の被害についての補償はACCから受け取ることができるのがこの制度の特徴です。一方で、ニュージーランドでは一般的に人的な賠償責任を問うことができず、例えば交通事故でけがを負ったり、死亡した場合でも加害者に対して人的な損害賠償を請求することができません。

 この記事はできるだけ正確を期すように心掛けていますが、あくまで一般的なガイドラインであり、これらの情報を利用して発生した損害についてはいかなる場合も一切の責任は負うことができませんので予めご了承ください。詳しくはnaoto.nitta@aiafsn.comまたは0800-664-882までお気軽にお問い合わせください。相談は無料です。

カテゴリ:NZ保険コラム
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