Vol. 188 NZ保険コラム

第6回 公立病院のウエイティングリスト問題と 医療保険

ニュージーランドの保険のハナシ


メインイメージ

 ニュージーランドでは国籍や永住権、滞在期間やビザの種類など一定の条件を満たすと、パブリック(公立)の病院の医療システムが無料になります。医療費が税金で賄われるとても良いシステムですが、問題も抱えています。

新田直人
 ニュージーランド政府公認のファイナンシャルサービスプロバイダー。AIA Financial Services Network所属のFSNシニアアドバイザーとして、医療保険や死亡、疾病保障といった生命保険からワーキングホリデーや旅行者向けの保険、留学生保険などを扱う。

ウエイティングリストの問題

 GP(一般医)からパブリックに送られた紹介状は、パブリック病院のスペシャリストによって審査され、症状にスコアが付けられます。このスコアが一定の基準に達すると、ウエイティングリストに載り、病院側の指定する日時に治療を受けることになります。無料で受診できるのは良い反面、日本のように自由に、好きな時に治療を受けられるわけではありません。
 また、スコアに従ってリストに載るため、場合によっては長い期間待たされることがあります。この背景には、主に人口の増加、高齢化、予算の限界などの要因があるようで、人口が多いオークランド地区とカンタベリー地区は特に状況が良くないようです。

最初のアポまでの長い道のり

 では、実際にはどのくらいの間待つのでしょう。MOH(Ministry of Health)では、「ウエイティングリストに載ってから4カ月以内に最初のアポイントメントが入る」と言ってます(あくまで最初のアポです)。一方、リサーチ会社・TNSは2016年に次のように発表しています。

・GPから外科的治療を受けるまでの平均日数は、パブリック177日、プライベート76日

・プライベートの場合、半数以上が1カ月以内に外科的治療を終えている

・外科的治療が必要かもしれないと言われた患者28万人のうち、実際にリストに載ったのは11万人

 どうでしょう。「プライベートよりもちょっと余分に待つだけ」といったレベルの話ではないのではないでしょうか。

高いプライベートの治療費と保険

 プライベートの病院で全額自費の治療を受けた場合は、ほぼ確実にパブリックより早く治療が終了します。個別に見た場合、パブリックの方が早かったという例もありますが、あくまで例外で、数字を見る限りプライベートの方が確実に早いことが明らかです。
 しかし全額自己負担になるため、プライベートの治療費は非常に高額です。たとえ日帰りでも「手術」と名の付くものであれば最低1万ドルは覚悟する必要があります。またCT、MRIといった検査も1回600~2,000ドルくらいかかります。
 こういったプライベート病院の治療費を保障する保険が医療保険(メディカル・インシュランス)です。MOHの統計によると、医療保険の加入率は大人が35%(35歳〜64歳は41~42%)。地域で見るとオークランド、カンタベリーは40%を超えています。「パブリック病院は無料」というセーフティネットはありますが、ご自身の身を守るためにも一度、医療保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。

 この記事はできるだけ正確を期すように心掛けていますが、あくまで一般的なガイドラインであり、これらの情報を利用して発生した損害についてはいかなる場合も一切の責任は負うことができませんので予めご了承ください。詳しくはnaoto.nitta@aiafsn.comまたは0800-664-882までお気軽にお問い合わせください。相談は無料です。

カテゴリ:NZ保険コラム
各種法律や移民局の規定等は改定されている場合があります。詳しくはお問い合わせください。

お問い合わせはこちら