Vol. 189 NZ式就活メソッド

第8回 「使える英語」で勝負しよう


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Migrant Action Trustについて

 2003年設立のNGO。「移民の国」ニュージーランドにおいて移民が抱えるさまざまな問題の解決をサポート。日本語での仕事探しセミナーも年に数回開催している。
http://www.migrantactiontrust.org.nz/

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tatsu.migrantaction@xtra.co.nz

移民に求められる英語力とは

 ニュージーランドは「英語」を話す人たちの国です。マオリ語も公用語ではありますが、ほぼすべての公的なコミュニケーションは英語で行われます。したがって、特に現地企業への就職を目指す場合は、英語をスムーズに使いこなせる能力が欠かせません。
 そうは言っても、移民である私たちにはネイティブのように完璧な英語を話すことまでは期待されていません。ニュージーランドが求めているのは移民の「専門スキル」と「経験」なので、それを生かすのに必要なレベルの英語力があればいいということになります。私の知っている世界各国からの移民の方たちも手持ちの英語をやりくりしながら職場に貢献しています。
 ただ、私も含め日本で生まれ育った日本人にとって、「英語をスムーズに使いこなせる能力」を身に付けるのは易しいことではないと思います。そもそも英語は日本語とはかけ離れた言語です。また日本では高等教育を母国語で完結できますし、社会に出てからも英語ができないことで困ることはあまりありません。英語を使いこなせるようになるためには、大きな決心、計画性、実行力などがどうしても必要になるのではないでしょうか。

「使える英語」を身に付けるために

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 「使える英語」を習得するためには、学校の英語の授業で得た知識に加え、たくさんのことを知る必要があります。学び方は人それぞれだと思いますが、発音、リズム、アクセント、定型フレーズ、コロケーションなどに詳しくなりましょう。ちなみに、学校英語が得意だった人は会話が苦手、日常会話から英語を身に付けた人は文法やライティングが苦手といった傾向があると思いますが、海外で働くためにはオールラウンドな英語力を伸ばしたいところです。
 また、私たちは訳読学習の影響で「英語を日本語で考える」ことになじんでいます。「英語で考える」ようになるためには、日常生活に音中心の「体得型」の学習を組み入れる必要があります。最近はインターネットで学習に適した動画やオンラインサービス、アプリなどがたくさん提供されていますので、どこにいても生きた英語に触れられます。
 さらに、自分の専門分野や興味分野に関して英語で運営されているコミュニティー(オンラインでもリアルでも)にも参加しましょう。好きなことをしている時は脳が活性化し、知識の吸収も早まるそうです。何よりも「自分事」として英語を使う機会を持てる点がいいと思います。その際、完璧主義は忘れ、経験値を上げることに徹して、反省と改善を繰り返せば実践力を身に付けていけるでしょう。

コミュニケーションは「NZモード」で

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 さらに、英語話者が共通して持っている感覚やコミュニケーションのルールも知る必要があります。例えば、英語話者は具体的な事実を伝え合う会話が多く、また自分の意見をためらわず主張します。一方、日本人は感想を述べあって相手と気持ちを合わせることを重視し、意見ははっきり言わない傾向があります。
 また、英語話者は何でも言葉に表すのが得意です。英語圏では言葉を自在に操る能力が尊重され、その能力が高いほど社会的に成功しやすいと言われます。一方、日本人は「不言実行」「以心伝心」などの思想に表れている通り、言葉よりも行動を尊重し、言葉を使わず相手の様子を察して状況を判断するのに慣れています。
 したがって、日本人である私たちは、意識して自分の個性を明確に打ち出し、経験したことや思ったことを言葉に表し、主張する努力をしましょう。ちなみに、ニュージーランド人は、他人の主張はどんな内容であれきちんと聞いてくれます。主張したことを批判されることはまずありませんので、リラックスして自分を表現してみてください。

マーケティングの発想と英語力

 これまで連載で繰り返してお伝えしてきた通り、ニュージーランドの就職活動ではマーケティングの発想で自分を売り込む戦略が効果的です。そしてマーケティングでも一番大切な要素と言われるのが「言葉の力」。つまり、英語力を磨かない手はありません。
 CVに書く英語、面接で話す英語、ネットワーキングやソーシャライジングの場で使う英語、その全てにおいて自分のスキルを余すところなく伝え、相手の関心に応えることができれば、成功するチャンスは断然大きくなるでしょう。応募先の担当者に専門スキルを認めてもらい、価値を感じてもらうためにも、自分を魅力的にアピールする「言葉の力」をぜひ手にしてください。

 全8回で連載した「NZ式就活メソッド」。お読みいただきありがとうございました。読んでいただいた方のニュージーランドでの就職活動に少しでもお役に立てれば、それに勝る喜びはありません。


(文・西村達男)

カテゴリ:NZ式就活メソッド
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