Vol.70 時代を飾るキウイ ニュージーランドのファッションデザイナー


人気の観光地として相変わらず世界的に注目が集まるニュージーランド。オープン当時からニュージーランド産のこだわり商品を販売し続けているAotea New Zealand Souvenirsグループの専属デザイナー、ブリジット・モーガンが商品プロデュースに渾身の情熱を注いでいる。Aoteaのグループ店内には彼女の生み出した洗練されたハイセンスなファッションアイテムが並ぶ。その中でも注目に値するのはニュージーランド産の厳選された天然素材100%というこだわりで作られた最高品質、かつデザイン的にも今のトレンドを表現する傑作品として名高い、Merinosilk, Pacific Lambskin, NATUREZONE NZの3ブランドだ。

シンプルでカジュアルな中にもエレガントさの香るその統一性あるスタイルから彼女のニュージーランドへの愛国心がうかがえる。大自然に恵まれたニュージーランドの環境を最大に活かしたいと願う、ナチュラリストな彼女だからこそ生み出せるアイデアが商品に反映される。独自のブランドを上品に着こなしインタビューに答える凛とした振る舞いは輝く女性そのもの。一方でパソコンの開閉部分の故障をガムテープで応急処置しながら「これ発明品なの」とペロッと舌を出し愛嬌ある笑顔を浮かべる彼女にはたくさんの魅力が潜んでいそうだ。今日はデザイナー、ブリジットの素顔にせまるべくお話を伺った。

ニュージーランドのファッションデザイナー/ブリジット・モーガン(Bridget Morgan)さん【Profile】
クライストチャーチ生まれ。大学でグラフィックデザイン専攻し、その後イタリアのデザイナーチームの一員として世界を10年以上飛び回る。故郷クライスト チャーチでトップデザイナーとして"Snowpeak"で7年働いた後、現在は土産店Aotea New Zealand Souvenirsグループの専属デザイナーを努めながら、ニュージーランド産天然素材100%というコンセプトの店"KOHA"のプロデュースを手がける。 日本食の大ファン。スキーのインストラクター免許も持つ大のアウトドア派。

恵まれた環境に感謝してひたすら前進

小さい頃から絵を書く事、自分のアイデアを共有する事が大好きだったんです。自分がしたい事が明確だったので迷いもなく、大学ではグラフィックデザインを専攻し、他にも彫刻、写真、絵画、フィルム、経理、哲学も学んだんですよ。哲学は直接デザインとは関係ないのですが、自分自身を更に向上させるために必要だと思ったのです。強い信念を貫き通すためには自分の哲学は必要ですからね。健康な心で自分自身がイキイキとしてないと良い作品は絶対に作れないんですよね。 アートやファッション関係の仕事って、街を歩く事、テレビを見る事、雑誌を見る事さえも「娯楽」ではなく「仕事」になってしまいがちなのです。アートはどこにでも溢れている事がたまにプレッシャーになる時もあります。ですが、ネガティブに感じる時は自分のバランスが崩れている時。だって自分の好きな環境にいつも囲まれているなんて実は幸せな事でしょ。街を歩いていて、かわいいファッションを見てインスピレーションや刺激をもらえるなんて最高ですよね。でも、なかなか自分の恵まれた環境に素直に感謝できない時は、もちろん息抜きをします。緑に囲まれた空気の中で思いきり体を動かしたりするんです。それが私のバランス調整法ですね。故郷も、今住んでいるオークランド沖のワイへキ島もとにかくそれが簡単にできる素敵な所なんです。リフレッシュすると、自分の恵まれた環境に素直に感謝できて、パワーが復活するんです。

日本で冬を過ごした若い頃。その理由は...

私が関わっているファションブランドの広告やポスターを見ていただくと一目瞭然なんですが、「自然」と触れ合っている写真が多いでしょ。私自身が大の自然派で、アウトドアも大好きだからなんです。実はデザイナーとして本格的に働く前、スキーのインストトラクターとして日本に滞在していた事があるんですよ! 盛岡に2か月住んでいました。『え、盛岡??』って思われたでしょ。日本人に必ず「どうして東北?」って聞かれるんです。でも「スキーのインストラクターとして」と答えると決まって「なるほど」って納得されるんです。随分昔だから、当時は盛岡に外国人はほとんど住んでいなかったんですよね。だから子供は皆じろじろ私を見てました。バスに乗っていると後ろの人が私のブロンドの髪を触ったり。そのまま触らせてあげてましたけどね(笑)全く違う文化に触れて、まるで他の惑星にいるみたいな気分でした。きっと日本人も私の事を違う惑星人だと思っていたんでしょうね(笑)日本語が全く分からないのにスキー指導をするなんて無謀でしょ。でも美しい自然の中、体で日本語や日本文化を学ぶ事は本当に楽しかったです。

その頃から日本とは縁があって、デザイナーとしてもトレードフェアで何度も東京に足をのばすようになり通算20回は訪日しました。東京は行く度に変化があって、訪れるのがいつも楽しみなんです。はじめて行った時と比べると今はレストランもセンスアップされて随分雰囲気が変わりましたよね。日本人女性のファッションもすごく好きです。美意識が高くて自分たちのスタイルを持っていると思います。自分に磨きをかけている女性を見るとやっぱり嬉しくなりますよね。原宿を歩く10代の若者のファッションも個性的で好きですよ、彼女達はファッションを通して「自己表現」をしているんでしょうね。来年もプライベートで夫と日本に行く予定です。日本食三昧の旅行が目的なんです、楽しみ~。

ニュージーランドがまるごと詰まった"KOHA"に注がれる情熱

それぞれのブランドの特徴を簡単に説明すると、Merinosilkは最高級メリノウール、ポッサムの毛、シルクを使用したソフトで軽量なニット製品です。100年ぶりに商品用に開発されたニュージーランドならではの天然繊維ポッサムの毛は空洞構造になっているためウールやカシミアより保湿性に優れ、柔らかくて着心地が良いんですよ。そして、ベビーラムスキン生産率が上昇した2004年にプロデュースされたのがPacific Lamskinです。生後10日以内に自然死したベビーラムの皮だけを使用して、高い技術で縫製された製品です。驚く程軽く、丈夫で耐久性に優れています。一番新しいブランドがNATUREZONE NZ。最高級の極細メリノウール100%の製品です。極細のメリノ繊維は空気を逃がさないので保湿性がある一方で繊維自体が呼吸をするため暑くなりすぎる事もないんです。さらに汚れにくくて防水性に優れているんです。 デザインも自然の美しさや太平洋遺産にヒントをもらってダイナミックに仕上げています。織り方や模様は太平洋諸国やマオリ文化の影響を受けていて、まさにニュージーランドの文化や歴史、環境をそのまま反映したニュージーランドまるごと製品なんです。

私が所属するAotea New Zealand Souvenirsグループは1979年創業、オークランド、ロトルア、クライストチャーチ、クイーンズタウンの4都市に、現在6店舗あります。創業当初からニュージーランドらしさのあふれる商品を提供しています。特に日本人旅行者は売り上げのかなりの比重を占め、健康製品、スキンケア商品、ファションアイテムは時代を超えて未だに大変人気があるんですよ。 今は新しいコンセプト店でニュージーランド独特の天然素材の服のみならず、アート、ジュエリー、スキンケアなどニュージーランド製品だけを扱う店舗"KOHA"のプロデュース中です。 "KOHA"はマオリ語で"スペシャルギフト"という意味なんだそうです。店内のデザインも私が担当しているのですが、マオリの文化をモチーフに石や木、ガラスなどで温かみのある演出を試みています。先月のクイーンズタウン店オープンに続き、今はオークランド店の開店に向けて大忙しなのですが、毎日が充実してます。私の今までの経験、知識そして情熱をこのKOHAに注いでいるんです。 この国を愛するデザイナーとして誇れるニュージーランドの自然の恵みが生み出したアイテムを世界に伝えたい、これは何があっても変わらない信念です。使うたびにニュージーランドを感じ、思い出してもらえるような製品をプロデュースし続けていきたいです。そのためには日々自分を磨き前進あるのみですね。Aoteaのオリジナル製品はグループのウェブサイトでオンラインショッピングも可能ですよ。私の製品が大好きな国、日本でも、もっと使ってもらえる日が来るのを夢見ています。

カテゴリ:ファッション
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