Vol.54 Career up in NZ ニュージーランドでネイリストの資格を取得


ノースショアにある、ちかさんのご自宅の一角にネイルサロンがある。玄関を入ると、マオリ模様の壁一面の絵や映画『千と千尋の神隠し』のカオナシの置き物など、アートが大好きなちかさんの手作りの作品が所々に飾られたリビング。見ているだけでどこか楽しい気分になる。リビングを通って階段を下りると、爽やかな水色の壁で囲まれたネイル用のスペースが目に入る。ニュージーランドらしい大きなお庭が見えるリラックスできる空間。そこで、ちかさんが1枚1枚の爪に息を吹き込んでいるかのように、爪たちがみるみるうちに美しく輝いていく。娘さんたちの笑い声が時々微かに聞こえてくる。街のネイルサロンの商業的なスタイルではなくて、本物の癒しの空間でネイルをする女性たちは最高に贅沢な時間の中にいるように映った。

ニュージーランドでネイリストの資格を取得/ちか クルックスさん【Profile】
東京都出身。神田外語専門学校の国際ガイド科卒業。89年にオーストラリアへワーホリで渡航。JTBのツアーデスクで働く。91年にニュージーランドへ。JTB勤務。 92年に結婚。出産と同時に仕事を辞め、専業主婦をする。95年長女・ティナさんを出産。97年次女・美月さんを出産。03年ネイリストの資格を取得し、 現在、ノースショアの自宅の一角でネイルのサロンワークを手掛ける。

Nail by Chika
2/21 Aorangi Pl, Birkenhead, Auckland
Ph/Fax: 09-419-6716
ブライダルネイル、プチ留学(短期ネイルコース)、出張ネイルもしております。

子育てと両立してネイリストの勉強

お客様とおしゃべりしながら、爪のお手入れをして、お客様好みのネイルアートを完成させていく、ちかさん。仕上がったネイルを見て、お客様から満足感でいっぱいの豊かな笑顔がこぼれる。「専門学校の国際ガイド科で勉強をしていた頃から英語に興味があって、旅行ではなくて、いつか海外に住んでみたいなと思っていました。」ちかさんは穏やかな声で話し始める。「お金を貯めるために2年間OLをしてから、ワーキングホリデーでオーストラリアへ行きました。」89年のことだ。オーストラリアでは、 JTBのツアーデスクで働き、ワークビザを取得して2年間過ごしたそうだ。その後、日本に帰国し、91年に再びワーキングホリデーでニュージーランドに来た。

「ニュージーランドに来て、はじめにJTBの現地ガイドとして働いたのですが、JTBのオフィスに現在の夫が働いていて、現在に至りました。」その後、CityのRegency  Duty Freeの受付に転職。出産を機に仕事を辞め、2人の娘さんを育てながら専業主婦をしていた。「03年に下の娘が小学校に通い始めて時間が出来たので、何かをしようと思い、作ることが好きなので陶芸をしようかなと考えていました。当時丁度、日本で一般の人にネイルが浸透し始めた時期でもあったのですが、そんな時、上の娘の学校にお手伝いに行き、娘の友達のお母さんが長くてとても形の整った、グリッター入りの綺麗なネイルをしているのを見ました。『どこでネイルをしたの?』と聞くと、『18年間ネイリストとして働いていて、サロンも経営しているのよ。』ということで、話が盛り上がって。彼女は エデュケイターの資格も持っていたので、彼女からネイルを教えて貰うことになりました。」

プロネイリストの資格とお仕事

「プライベートレッスンで2ヶ月間、タカプナにある彼女のサロンに通って、アクリル専門の資格を取得しました。アクリルネイルとは、アクリルのパウダーとリキッドを混ぜ、筆を使って、人工的に自爪をコーティングする方法です。とても丈夫で長くしても爪が折れ難くく、自爪が伸びたら根元の部分のお手入れを繰り返していくことで、半永久的に理想的な形を保つことができるネイルの方法です。」それと同時に、ちかさんは日本の通信教育のプロネイリスト養成講座を半年かけて受講した。そこでは、爪の構造、ネイルケア、マニキュア、割れた時のリペア、爪の病気、手と腕のマッサージ、ペディキュア、フットマッサージ、フットスパ、ネイルアート、道具の使い方、日々のケアというように塗るだけではなくて様々なことを学んだ。

「ニュージーランド人はあまりネイルアートに興味がなくて、アクリルでも、爪の先に白いチップを使ったフレンチネイルというスタイルを大抵の方は好んでしています。カジュアルでもフォーマルでも合うシンプルで 綺麗というスタイルが好きなようです。ですから、ネイルアートはクリスマスパーティや結婚式など特別な日のためにされる方が多いです。ここぞという時にネイルアートをするので、これまでに『カンパニーのロゴを描いて』という注文もありました。それと比べて日本人は、特別な日だけではなくて、もっとアートを楽しまれている方が多いです。」

ネイルのコツ

「趣味でネイルをする時の簡単な手順は、先ず爪の長さを揃え、形を整えます。この時、爪切りではなくファイル(ヤスリ)を使うと、爪にやさしく、綺麗に整えることができます。爪の形は、先に角のあるスクエア、オーバル(楕円)、またはスクエアの角を取ったスクエアオフの形が人気のある綺麗な形でお勧めです。次に、マニキュアを塗りますが、綺麗に塗るためには、甘皮と爪の際にある膜のようなものを、あらかじめ、目の細かいファイルを使って、綺麗に取り除いておきます。そうすると、マニキュアが塗り易く、またはげ難くなります。3ウェイバッファで爪を磨くだけでもピカピカになるので、マ二キュアを塗ると爪が息できない感じがする人やナチュラル派の方は、コレだけでもかまいません。もう少し爪を綺麗にしたい場合は、透明のベースコートを塗ってから、好きな色のマニキュアを丁寧に塗り、最後に発色や持ちを良くするためにトップコートで仕上げます。

通常、プロのネイリストは爪の真ん中のライン、左端、その間、右端、その間の5ストロークで塗ります。この順番で塗ると、薄くムラなく塗れるため、綺麗に仕上げることができます。また、最初に、爪の先の断面にも塗っておくと、これによって爪の先からマニキュアがはげていくのを防ぐことができます。」単にマニキュアを塗るだけでもコツがこんなに沢山。「マニキュアを一瓶使い 切る前に2層になったり、ドロドロになって固まってしまった場合はどうすればよいのかとよく相談を受けます。まず、2層になった場合は、瓶を逆さまにして 両手に挟み、手をこするようにして瓶を回すと、大抵のマニキュアの瓶の中に入っているシルバーのボールが移動してうまく混ざり合います。私も普段から、マニキュアを塗る前にこれをしています。また、ドロドロになってきたら、シンナーで薄めるのが一番良いのですが、マニキュアを使用した後に、瓶の口に付いたカラーを、除光液を含ませたコットンで綺麗に拭いておくと、いつも密栓状態を保つことができるので、凝固防止に役立ちます。」

楽しくネイルアート

「次にネイルアートですが、絵を描きたい時は画材用のアクリル絵の具を用意します。そして簡単に手に入るものでしたら、細い筆や爪楊枝を使って、自分の好きな絵や模様を描きます。絵の具は一度乾くと水には溶けませんが、その上からトップコートを塗って仕上げるとより良いです。また、面白い方法としてはマーブルという仕法があります。コップに水を入れて、マニキュアを垂らします。そうすると水面にマニキュアが膜を作りながら広がります。膜が乾かない内に2色目を 同じ場所に垂らします。コーヒーのクリープのような感じです。爪楊枝などで模様を作ります。そして爪を下に向けて柄をすくうように上から下にくぐらせると 爪の上にその作られた模様がのります。最後に、指にはみ出した部分を除光液を含ませたコットンで綺麗に取り除き、トップコートで仕上げます。」ネイルアートを遊びのように楽しくお話してくれる、ちかさん。「ネイルアートには制限が無いので、自分の好きなものを好きなように爪に表現して下さい。自分で絵を描くのが苦手な人でも、簡単にできるお勧めのアートとして、最近、市販されているネイルシールや、ラインストーン、またクラフト用のビーズやコンフェティ (スパンコール)などを利用しても気軽に可愛いネイルアートができます。」

ネイルチップはアクセサリー感覚で

「子供が学校へ行っている間や夜、子供が寝た後など空いた時間にできるので、最近はネイルチップ(付け爪)作りのお仕事をよく引き受けています。お客様に来て頂いて採寸をし、デザインを相談して、2週間お時間を頂いてネイルチップを作っています。ネイルチップは特殊なのりが付いていて取り外しが簡単なので、アクセサリー感覚で何回でも繰り返し使って頂くことができ、普段、マニキュアを塗ったり、長く伸ばすことのできない方にもお勧めです。たとえ、無くしてしまった場合でも、無くしたネイルチップだけをもう一度リメイクすることができます。またお客様にご自分で採寸して頂くこともできますので、日本からブライ ダルで来られるお客様のネイルチップ作りも行っています。ブライダル用のネイルチップは素敵な思い出の品にもなっているようです。爪の大きさに個人差があるように、好みのデザインも人それぞれ。お客様一人一人に合った、世界でたった一つのネイルチップの制作を心掛けています。」

現在、ご自宅のサロンでのお仕事以外にも、アミカルNZ社のブライダル用ネイル、プチ留学の講師を担当、また、出張ネイル、癒しのツアーでのフットマッサージとペディキュアなど、様々な舞台で活躍する、ちかさん。また妻として、2人のお嬢さんのお母様として、ちかさんは女性であることを大切にしながら時間を 使っている。「子供たちがもう少し大きくなったらサロンで働いて、ニュージーランドではアートがあまり流行っていないのでネイルアートを広めたいですね。そして、子供たちが育っていったらネイルサロンのお店をオープンできればと思っています。」
お客様の満足感いっぱいの豊かな笑顔。それは、女性として豊かに生活するネイリストのちかさんが、爪1枚1枚に息を吹き込みながら、幸せも一緒に吹き込んだような笑顔だった。

カテゴリ:美容
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