Vol.78 時代を飾るキウイ ニュージーランドのビューティー&スパ学校校長


景気の活性化の中で、ニュージーランドでは様々な分野で新しいものが取り入れられており、それと共に受け取る国民の意識も高くなっている。エステティックサロン、ビューティー・スパなどがどんどん新設される状況を見ると「美意識」という点でも同様のことが起きているのであろう。この国のビューティーセラピーを支え、全体のレベルアップを推進しているのがJudy Westである。特にこれからの時代の担い手を育てる教育事業に力を入れている彼女は「ニュージーランドは現在、新しいレベルへ移行している段階にある」と言う。

ニュージーランドのビューティー&スパ学校Elite校長Judy Westさん【Profile】
イギリス生まれ。15歳のときにニュージーランドに来る。ナースとして働き1974年にビューティーセラピーの世界に入る。現在のElite International School of Beauty Therapyでは経営が変わる前身の学校より校長を務めている。ニュージーランド・ビューティーセラピー協会会長、シデスコのディプロマ認定委員として、世界のエステティック業界のレベルアップに貢献している。

ニュージーランドのビューティー・セラピー

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 現在、私はニュージーランド・ビューティー・セラピー協会の代表を務めていますが、もともとこの世界に籍を置いていたわけではなく、最初は看護師として働いていました。職場は当然、医療機関ですから病を患っている人たちのお世話をしていました。とてもやりがいのある仕事なので、毎日充実していたのですが、何年もそうした仕事をしているうちに、次第に別の世界を見てみたいという希望がわいてきました。
まったく別の道に進むという選択肢もあったのですが、ナースとしての知識と経験を生かしてステップアップするほうが自分には合っていると思い、以前から興味があったビューティーセラピーの道に進むことにしたのです。

今日、ニュージーランドでは非常に多くの人が「美」に対して大きな興味を示し、また実際にアクションを起こしています。ニュージーランドのファッションデザイナーが世界の舞台で活躍しているのもその一つですし、各国の撮影クルーがここへ来て映画やコマーシャルを撮っていますが、そこで活躍しているニュージーランドのメイクアップアーティストも「美」に関わっている一つです。
これらの現象はこの国のビューティーという意識を確実に高めています。私は、ニュージーランドの中で大きくなっているこの需要に対して、供給する側の人間として、実際の施術で対応できる人材を育成し、また、そのスタンダードを底上げすることが協会に課せられている役目の一つだと思っています。

ビューティー・セラピー協会では『beautynz』という雑誌を隔月で発行しています。これは会員専用の雑誌で、新しい商品の紹介、今この国の業界内で起こっているニュース、世界の流れなどを伝えています。細かいトピックスではスキンケアやサンケアなど日差しの強いニュージーランドならではの内容が自然に多くなってきますが、その他にネイル、スパ、教育関連、ツースホワイトニングなど様々な話題を提供しています。つい最近では温泉の水とビューティーというテーマのページもありました。読者である会員はそれぞれ専門的な分野に携わっています。それはエステであったり、ネイルであったり、メイクアップであったり。いずれにしても、その分野だけではなく、大きな視点でビューティーをいうものを考えてもらえるように、雑誌では幅広く話題を提供するようにしています。

この雑誌の中で以前、少し触れたのですが、現在、協会はNZQAと連携してこの国のビューティーセラピーの標準について考えています。海外移住こうした専門的な分野の事柄は私たち専門家が中心になっていく必要があるようで、NZQAの代わりに協会が国の認定資格を確立しつつあります。また、私たちの協会と切っても切り離せないのが、HITO(Hair Dressing Industry Training Organisation)です。このHITOの会長とも足並みを揃えて、ニュージーランド全体の底上げを試みているのです。

この国は、今まさに「道を渡っている」という状態だと感じています。これまでのレベルから新しいレベルへ移行するために道を渡っているのです。道路を渡るときは右からも左からも車(障害)が来ますので、それなりに危険も伴います。ただ、それをクリアーしなければ新しいステージには行けないのです。優雅さや上品さにおいて妥協のないビューティーセラピーのナショナルスタンダードを確立し、それを各学校の卒業資格の基準とすることで、エステティックサロンであれ、メイクアップアーティストであれ、雇用者側からも信頼してもらえる人材を送り出すことができるのです。

ビューティーセラピーの国際組織

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 さて、ビューティーセラピーの分野では世界的な組織もあります。CIDESCO(シデスコ・・・Comite International d' Esthetique et de Cosmetologie-エステティックおよびコスメトロジー国際委員会)と呼ばれているもので、現在加盟国は世界34ヵ国になります。

このシデスコでは、エステティック、メイクアップ、化粧品学などに関する知識や技術、器具や用材などレベルや取り扱い方の各国間の格差をなくし、国際的なレベルアップをはかり、そのうえで、世界的なエステティックの普及と促進を目的としています。1946年にベルギーで設立されており、世界各国の関係技術者、学識経験者などによって構成されています。また、毎年世界大会も開催しています。そこでは世界中から多数のエステティシャンが参加し、加盟各国代表による総会(人事・財政・教育・入退会等の組織に関する議案を審議)が行われています。エステティックに関する研究発表、機器用具・用材の展示会、各種コンテストなどが4~5日間にわたって行われ、国際的な知識・技術のレベルアップと情報交換、親睦をはかっていたりもします。

そしてシデスコが国際共通基準で認定しているのが「CIDESCOインタ-ナショナル・エステティシャン」です。国際試験をクリアーしてこの認定エステティシャンになると加盟国共通の国際ディプロマが授与されて、海外でもエステティシャンとして働くことができるのです。

海外移住 Elite International School of Beauty Therapyでは、生徒たちにこのインターナショナル・エステティシャンになってもらうべく、私も毎日、教鞭をとっています。生徒たちには、ニュージーランドだけでなく、どこの国へ行ったとしても、エステティシャンとして働くことができるという可能性が広がりますし、世界標準の知識や技術を持った卒業生がニュージーランド国内の各方面で活躍することで、この国のレベルもアップしていくと信じています。

私自身はシデスコの認定委員を務めており、本部から要請を受け、各国で行われる認定試験に足を運んでいます。毎年2、3ヶ所から試験官のリクエストを受けます。1回にみる試験者の数は10人前後です。試験はフェイスケア、スキンケア、ボディケア、その他器具類の取り扱い方の実技を中心に約2日間で行います。

こうした試験官としての視点は学校で生徒の指導をする時にも非常に役に立っています。テストのときに私が注目する部分というのは、何もテストだからと言うわけではなく、実際に生徒がエステティシャンになったときに絶対的に必要になってくる部分です。それを私の生徒たちには十分に理解してもらいながら授業を進めています。

世界から見たニュージーランドの位置

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 たとえば、これを読まれている日本人の皆さんが、日本にある学校ではなく、ニュージーランドにある私のところで学ぶことという利点について、技術的なアドバンテージはないと思います。CIDESCOの認定校であれば、反対にどこの学校にアドバンテージがあるというようなことがあってはならないと思っています。

世界のどこへ行っても同じレベルの技術や知識が身につくからです。それこそがCIDESCOが設けているスタンダードですし、だからこそ、この修了書は世界のどこでも通用するのです。時々、「ニュージーランドらしく、この国の伝統的なビューティーセラピーの方法を取り入れたりしていますか?」と聞かれたりもしますが、世界のCIDESCO認定校と足並みをそろえるために、現在はあえて、行っておりません。

ただ、私の学校は、今後、自分の国だけでなく、あるいは一つの国だけでなく、世界中を舞台に活動してみたいと志を立てている人にはすばらしい環境になると思います。なぜなら技術、知識の他に、コミュニケーションの力を育てることが可能だからです。単に言葉の問題というだけではありません。現在でもロシアやインドからの留学生もいますし、ニュージーランドは移民の国ですから、この国に移住してきた生徒もいます。文化や言葉が違う環境で育ってきた人間同士が、生徒という同じフィールドに立ってコミュニケーションを図る経験は、卒業後に世界で活躍するときに、大きな財産になってくると思います。こうした卒業生をどんどん送り出すことで、ニュージーランドのビューティーセラピーが世界の中でトップクラスに入るのもそんなに遠い日ではないと思っています。

カテゴリ:美容
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