Vol.8 自由時間 ニュージーランドでホスピタリティー留学


New Zealand Hospitality Management Academyで2年のディプロマコースに通い、サービス業のマネージメントを学んでいる美香さん。ニュージーランドに来た最初の目的は英語の習得であった。そのキッカケとなった出来事は9年間、勤めていた外資系の会社を辞めてアジア15ヶ国を2年半かけて旅行していたときに起こったという。

New Zealand Hospitality Management Academy ホスピタリティ・マネージメントコース学生・吉垣内美香さん

1966年生まれ。和歌山県出身。短大卒業後、臨床検査技師助手を経て、外資系の金融会社に入る。一般事務から支店長そして9店舗を統括するマネージャーになるが旅行に行きたいという一心で、アジアへ2年半の旅行に出る。

「インドで長距離バスに乗ったときのことです。私のバスが対向車線のバスと接触事故を起こしたのです。ドンという衝撃の後に、甲高い悲鳴が車内に響きました。そちらを見ると一人の女性が大ケガをしていました。一瞬にして、バスの中がパニック状態になりました。もちろん私自身も落ち着いてはいられませんでした。ケガをした女性はどうなってしまうのだろうか?事故を起こしたこのバスは動くのだろうか?一体、この後にどうなってしまうのだろうか?そこは何もない田舎の村で他のバスや電車に乗り換えるということは不可能な場所だったのです。
結局、私の乗っているバスはフロントガラスのないまま、一番近くの町の病院を目指して走り出しました。しかし、それはバスのルートからは大きく外れています。このことを運転手は乗客に説明していました。その説明は英語でした。しかし、私はうまく聞き取ることがきませんでした。インドでは英語がごく普通に使われていて、多くの人が日常生活の中で英語を使っていました。ですから、このときも運転手は英語で話をしていました。現地の言葉のヒンドゥー語がわからないのであればまだしも、英語がわからないとあって、私の不安はどんどん膨らんでいきました。このバスはどこへ向かっているのだろうか?そこへは何時到着するのだろうか?目的地にはいけるのだろうか?
結局、17時間で到着する予定が30時間以上もかかりました。その間、私は一睡もできないくらい緊張していました。
このときほど、勉強していなかったことを後悔したことはありませんでした。旅行中に英語ができなくて盗難届が書けなかったり、せっかく仲良くなれた友達とうまくコミュニケーションが取れなかったこともありましたが、それは小さなことです。もしケガをしていたのがコミュニケーションの取れない私だったら、と思うと今でもゾッとします」

ニュージーランドに来たのは01年の4月のこと。英語を学ぶために語学学校に入学したが環境が合わずに6週間で辞めてしまった。そして、次の学校は自分の目で一校一校確かめて選び、半年近く通った。いよいよビザが切れる頃になって美香さんは現在の学校を知った。
「どうせここまで来たのだから英語以外も学んでいこうと思いました。私のコースはHospitality Managementコースでホテルやレストラン、カフェなどのサービス業でマネージメントをする人材を育成する学科です。将来、そういった関係に就職したいと思っている人や、また自分でビジネスを立ち上げたいと思っている人が集まるところなのです。私が、ここを選んだキッカケはサービス業に興味があった、そして料理が好きだったという、けっこう、単純なものでした。入学に際してインタビューと簡単なテストがありました。面接では今までの経歴や志望動機などを聞かれました。テストは日本で言えば小論文でしょうか。自分が目標とすることや、これからやりたいことを作文にすることでした」

授業では経営や法律、サービス概論などの座学ばかりでなく、実践的なことも行われる。
「マネージメントのクラスといえども、現場を知らなくてはいけないということでカクテル作りなどの実習もします。これが結構おもしろいし、やってみると難しいことがわかるのです。そうですね、例えばコーヒーを淹れたりする実習があります。カプチーノからフラットホワイト、ラテ、エスプレッソなど、一通り習います。カプチーノを作るときにミルクを温める蒸気ですが、当てる時間が長すぎるとミルクから焦げた匂いがするんです。そして味の方もやっぱり焦げた味がします。だからと言って短ければミルクは冷たいままなので、ぬるいカプチーノになってしまう。だから時間の感覚がわかるまで何度も練習します。そして最後には当然、テストが待っています。審査基準は温度や泡のキメの細かさです。砂糖を入れたときにゆっくり沈んでいけばOK。キメの細かいカプチーノです。
この実習が一番楽しかったです。もともとコーヒーが大好きでしたから、オークランドに来てから数え切れないくらいにカフェには行っていました。実習以降は店員さんの動きが気になるようになりました。今では作っている姿を見ればそのコーヒーがおいしいかどうか80%ぐらいですけど、当たるようになりました」

同じ時期に入学した生徒は美香さんを入れて6人。この同期が大切な仲間だという。
「私はこの学校では初めての日本人の生徒でした。まわりはキウイばかり。最初の頃、英語が聞き取れなくて、よく授業を中断させていました。必死に付いていこうとする私自身が感じる緊張感も相当なものでした。知らない言い回し、知らない単語の連続でした。そんな私を見た周りのキウイは助けてくれました。少し難しい単語が出てきたら、違う言葉で教えてくれたり、スペルを書いてくれたりしました。私もそれで少しずつ覚えて、慣れて、そして落ち着いて授業が受けられるようになりました。
ここでの授業は常に実践ということが想定されています。私たちのコースの6人は一つの「会社」という単位で扱われています。例えば学校行事で先生の研修が行われる、ということであれば、その仕切りを私たちが行います。学校側からは日程などの基本的な情報をもらうだけで、その会場手配や、ケータリング、人員配置などすべてを委ねられることになり、その中でマネージメントを学んでいきます。ですから、この6人は必然的に協力し合いますし、連帯感が生まれてきます。

私はここを卒業した後もニュージーランドに残りたいと思っています。住んでみて実感したこの国のリズムや、豊かな自然が大好きです。それにここには、授業中に私を助けてくれた仲間のように、優しい人達がいっぱいいます。ですからニュージーランドでホテルやレストランに就職したいと思っています。そして更には、ビーチの近くに自分のカフェをオープンさせたいと思っています。そのときはメニューに大好きな豆腐の料理を入れようと思っています。

カテゴリ:ホスピタリティ
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