Vol.4 時代を飾るキウイ ヨットとカジュアルウェアのブランド「LINE7」


ニュージーランドに住んでいる人ならば「LINE7」(ライン7)と言えば何のことかわからない人はいないはず。いたるところで目にし、また、あらゆる人が着ている、ニュージーランドで生まれた、あのヨットとカジュアルウェアのブランドだ。アメリカズ・カップのチーム・ニュージーランドへユニフォームを供給していることで一躍知名度を上げたが、それ以前から、海をイメージさせる一貫したブランドイメージを守り続け、世界中のヨットマンから認知されていた歴史がある。奥さんと二人で始めた会社は今ではニュージーランドを代表するまでになり、ヨットマンのみならず世界中で「LINE7」は認知されるようになって来ている。

ロス・モンロ:Ross Munro<br />ガルフ・スター・プロダクツ社長 : Gulf Star Products Managing Director<br /><br />1957年ロトルア生まれ。 ワイカト大学を卒業し、BMS(Bachelor of Management Study)を取得。仕事がらヨットに造詣が深いと思いきや、ヨットには乗らず、むしろ魚釣り派。若い頃はラグビーのウイングでならしたと言うがさて真偽のほどは? 本業の他にチーム・ニュージーランドおよび2003年アメリカズ・カップのマーケティング委員も兼務している。週末は必ず家族サービスに時間を割く典型的キウイ・ハズバンド。妻マリリンと二男、一女。

「LINE7」(ライン7)の意味とは?

今まで何げなく知っていた「LINE7」には海にまつわる深い意味がある。

「LINE7」は1963年にニュージーランドで立ち上げられたヨットウェアのブランドです。私が「LINE7」と関わるようになるのは1991年からなのですが、今からもう40年近く前から「LINE7」はセーラーの間で品質が認められていました。ヨットウェアは暴風雨などの悪天候の際でも作業ができるように作られていなくてはいけません。「LINE7」は既に世界ブランドとして名を馳せていたんです。

ヨットウェアのブランドでプロセーラーをはじめ、真剣にヨットに取り組んでいる人や趣味でヨットを楽しんでいる人達に認められ、そのルーツ(ヨット)に強くこだわっているブランドは今では世界中で本当に少なくなって来ています。「LINE7」はそのうちの一つなのです。

「LINE7」には「幸運と安全な航海」と言う意味が込められています。人間が海を安全に航海するには技術と信頼できる用具とそしていつも幸運が必要です。人間と海のかかわりには昔から伝説や神話、ある時には迷信がつきまといます。セーラーは海での孤独、不安をいつも抱えています。そんないわれから出た言葉が「第七の線」つまり「LINE7」なのです。手のひらにある第七番目の線の長さは幸運の証に例えられます。こんないわれが「LINE7」ブランドの背景にあるのです。

メジャーなヨット・イベントで活躍

「LINE7」はニュージーランドで行われるメジャーなヨット・イベントには必ず顔を出す。

私はガルフ・スター・プロダクツ社を妻と二人で1985年に設立しました。設立当初は一台のミシンを使って雨の日に着れるアウトドアウェアの生産から始めました。私自身はヨットマンではないのですが、アウトドアウェアの製造に関わっていた事、また、ニュージーランドはヨットと関わりの深い国ですので、ヨットウェアへの関心も自然の成りゆきでした。1991年に「LINE7」の権利を買い取る事ができ、それ以来「LINE7」ブランドの元でヨット・ウェアと海のエッセンスを感じさせるカジュアル・ウェアを作り続けています。

今までにはアメリカズ・カップ、シドニー・オリンピック、世界一周のヨットレースであるボルボ・オーシャン・レース、ニュージーランドヨット協会、アメリカズ・カップを保持しているヨットクラブのロイヤル・ニュージーランド・ヨット・スコードロンなどにウェアを供給しています。これらのイベントや団体へのウェアの供給はただ「LINE7」ブランドを認知してもらうことだけではなく、「LINE7」がヨットシーンの代表的ブランドであるという位置付けをしたいからなのです。

今ではニュージーランドはもとより、オーストラリアでも希望どおりの展開ができています。海外ではイタリア、ドイツ、スゥエーデン、ノルウェー、デンマーク、アイルランド、イングランドなどヨーロッパ7~8カ国に販売代理店を通して輸出をしています。アジアでは韓国のみです。日本での販売代理店を探していますが、どこかいいところはありませんか?

転機となったアメリカズ・カップ

「LINE7」がニュージーランドでメジャーなブランドとして認知されるようになったのはアメリカズ・カップと関わるようになってから。

1991年に「LINE7」の権利を得て以来、すぐにアメリカズ・カップのウェアを供給しようと決めました。ちょうど92年にアメリカのサンディエゴでニュージーランドにとって3回目のアメリカズ・カップへの挑戦「ザ・ニュージーランド・チャレンジ」がありました。それ以来「LINE7」はアメリカズ・カップに参加するニュージーランドのチームにウェアを供給しています。
95年は同じくサンディエゴでした。「チーム・ニュージーランド」がヤング・アメリカを破ってアメリカズ・カップを奪取しました。これで「LINE7」のイメージアップに弾みがつきました。国を挙げてのサポートは「LINE7」の売り上げにも大きく反映しました。

2000年のオークランド大会はウェア供給に関する契約金が跳ね上がり、大きなリスクを背負ってしまったと感じました。しかし、アメリカ以外で初めてアメリカズ・カップを防衛した歴史に残るイベントでもあったのでニュージーランドの人達のみならず、世界中の観光客もチーム・ニュージーランドのウェアを買ってくれました。

そこで今度の2003年大会です。アメリカズ・カップはニュージーランドで行われ最も大きなスポーツイベントです。「LINE7」が「チーム・ニュージーランド」をサポートしないわけがありません。リスクを感じないといったら嘘になりますが、もう私には自信があります。「チーム・ニュージーランド」と一緒に他のチームをサポートする世界中のスポーツウェアやヨットウェアを相手に戦いたいと思います。ニュージーランドは「LINE7」のホームグラウンドです。地の利を生かして有利に戦いを進められると思います。

アメリカズ・カップ絡みでは「チーム・ニュージーランド」のウェアの他、今回のオークランドで行われる「アメリカズ・カップ2003」のウェア、150年にもわたる歴史的なヨットレースとしての「アメリカズ・カップ」のウェア、そして、「ルイ・ヴィトンカップ」のウェアを公式サプライヤーとして供給する事になります。

今後の展開

「LINE7」は「チーム・ニュージーランド」の公式ウェアとして有名だが、「LINE7」ブランドにはメンズ、レディスのカジュアルウェアも数多くある。

「チーム・ニュージーランド」関連製品の売り上げはほんの一部にすぎません。売り上げの大半は毎年発表している海の香がするカジュアルウェアなのです。特に女性ものは多数発表しています。ニュージーランド生まれのブランドという事もあり、その個性を大切にしていきたいと考えています。それはニュージーランドの典型的な天候や自然をテーマにしています。変りやすい天気の時、雨が降ったり、風が強くなったりした時、海辺でのひと休みの時、心地よい風が吹いた時、週末のゆっくりした時などを快適に過ごすためのカジュアルウェアなのです。中にはニュージーランドのウールを使った保温用のウェアもあります。

そこまでニュージーランドにこだわっているわけですから、時々ラグビーの世界には参入しないのかと聞かれます。もちろんそれはありません。「LINE7」のイメージを広げ過ぎる必要はないのです。そこまで海やヨットにこだわっているためか、ガルフ・スター・プロダクツ社は1989年以来、世界で唯一「MUSTO」ブランドのヨットウェアを本国イギリス以外で生産できる権利を持っています。 「MUSTO」ブランドのヨットウェアは今度のアメリカズ・カップでイギリスの「GBRチャレンジ」の公式ウェアとなっています。

生活の中に溶け込んでいる海が「LINE7」を作り出す

「LINE7」のアイデンティティはニュージーランドのブランドであること。それが最上級のヨットウェアや海にまつわるカジュアルウェアを作る事になる。

ニュージーランドは最上級のヨットウェアを作るのにふさわしい国だと思います。それは、海岸線が長く海に近い生活をしている事、そのうえセーリングが生活の中で大きな位置を占めており、余暇をどう過ごすか、収入をどう使うかという事に海が大きく関わってきているからです。これらが本当の意味で海洋国を意味すると思います。オークランドは4世帯に一隻のボートないしはヨットがあると言われています。これほどの要素を兼ね備えた街は他にどこもありません。

また、セーリングの環境やスポーツへの関心が高い事もあげられます。ニュージーランドのヨットマンによる数々のヨットレースでの輝かしい記録は世界中でも有名です。また、ボートやヨットの建造技術も世界でトップクラスにあります。ですから、マリン業界が国を挙げた一大産業となっています。

つまり、ニュージーランドは「セーリングの超大国」なのです。人口も350万人ほどでGNPもとてもアメリカに及びませんが、2000年にアメリカズ・カップを防衛した事は納得のいく事なのです。

そんな「セーリング超大国」ニュージーランドで「LINE7」は生まれ、育っているのです。

カテゴリ:ボート/ヨット
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