Vol.58 時代を飾るキウイ ニュージーランドの女優Fleur Savilleさん


平日の午後7時よりTV2でオンエアされている『Shortland Street』は、1992年にスタートし、今年で放送15年目に突入した長寿ドラマだ。その人気は国内にとどまらず、英国、オーストラリア、アイルランドでも放映され、テムエラ・モリソン、マーティン・ヘンダーソンといった国際スターも輩出している。昨年11月の2005カンタスTVアワードではウーマンズ・ディTVチョイス賞を受賞し、去る6月には3500話を達成。今後もますますパワーアップしていきそうな気配だ。紛れもなくニュージーランドで最も有名なテレビ番組といえるだろう。
そんな同ドラマに昨年よりレギュラー出演し、一際輝く姿を見せているのが、リビー・ジェフリーズ役のフルアー・サヴィール。ロンドン帰りで自己中心的なリビーと、裕福なビジネスマン、ジョージとの結婚式のエピソード(2人の仲は破綻してしまうのだが)が印象に残っている読者も少なくないだろう。また、フルアーの初テレビドラマ出演作かつ主演作であり、出世作ともなった『Being Eve』(2000〜2002、TV3)でのキュートでコミカルな演技を楽しんだ方もいるのではないだろうか。
無邪気な少女役から大人の女優へとステップアップを続けるフルアー。「演じることが大好き!」と、キラキラした瞳で語る彼女の素顔をご紹介しよう。

ニュージーランドの女優Fleur Savilleさん

Fleur Saville
フルアー・サヴィール

女優 Actress

1984年オークランド生まれ。10歳で舞台『Joseph and the Dreamcoat』のナレーターを務め、その後『Sound of Music』のブリジッタ役で女優デビュー。15歳の時、初のテレビドラマ出演作となる『Being Eve』で主役のイヴ役を射止め、注目を集める。以後、テレビ、舞台、映画で活躍中。現在、TV2の連続ドラマ『Shortland Street』にリビー役でレギュラー出演している。その他の主なテレビ出演作に『The Tribe』、『Spin Doctors』、舞台作品に『チャーリーとチョコレート工場』、『New Gold Dream』などがある。6歳の時から続けている乗馬のほか、スノーボード、サッカー、少林寺拳法、ギターなど、趣味も豊富。和食が大好きで、お気に入りのレストランはTanuki's Cave。

生まれたときから女優志願

幼い頃からずっと女優になりたいと思っていました。それをはっきり意識したのがいつだったかも覚えていないくらい、物心付いた時から女優志望だったんです。この世に生まれた瞬間、すでに「私は女優になる」と決めていたような気がします。
両親もそんな私の希望を理解し、応援してくれました。バレエとジャズとタップダンスを習い、10歳の時にノースショア・シティのランギトト・カレッジで上演された『Joseph and the Dreamcoat』で初舞台を踏みました。この時はナレーション担当で、まだアマチュアだったんですが、その後、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』でブリジッタ役を演じ、それがプロとしての初仕事になりました。実際に舞台に立つようになって、「自分は本当に演じることが好きなんだ」と強く感じましたね。芝居が楽しくて楽しくて仕方がなかったんですよ。
初めてのテレビ作品となった『Being Eve』の主役・イヴ役は、公開オーディションに参加して得ることができました。新聞に掲載された一般公募の告知を見て、応募したんです。およそ1000人もの応募者が集まったそうですよ。人口の少ないニュージーランドでは非常に大きな数字です。選考も第8次までありました。各審査を通過するたびに候補者の数が少なくなっていくでしょう。「もしかしたら私が選ばれるかもしれない」と考えると、すごく興奮しましたね。1000人中、1人しか合格できないのだから確率は低いけど、可能性はあるわけですから。とはいっても落とされたらガッカリするので、「あまり期待しすぎないようにしよう」なんて自分自身に言い聞かせたりもして、オーディションの期間中はずっとドキドキしっぱなし。イヴ役に決まった時は大感激でした。
『Being Eve』の撮影は夏の3ヶ月間をかけて、集中して行われました。それまでこのドラマがどのようなものになるのかもわかっていませんでしたが、撮影が始まってすぐに「とてもいい作品になる」と予感しました。共演者もスタッフもプロフェッショナルで、現場が常にエキサイティングだったからです。出来上がった作品は予想通り素晴らしく、視聴者の方々からも好評でしたね。テレビでのキャリアをこのように恵まれた形でスタートできて、本当にラッキーだったと思います。
『Being Eve』に出て、一気に顔が知られるようになりましたが、日常生活にはさほど変化はなかったですね。というのは、私の髪はブロンドですが、イヴを演じる時はダークヘアで、メイクをして眼鏡もかけたので、素の状態で街を歩いても、同一人物だと気付かれなかったんですよ。ただ、当時は高校生でしたから撮影期間の後は学生に戻ったのですが、同じ学校の生徒はさすがに私がイヴだとわかるようで、少し嫌な思いも味わいました。でも、生まれてからずっと女優になるのが夢でしたから、そんな些細なことは気にならなかったですけどね。

テレビと舞台の違いを楽しむ

『Being Eve』以後、『The Tribe』第5シーズンや、現在出演中の『Shortland Street』といったテレビドラマのほか、舞台の仕事にも数多く携わってきました。舞台出演作で思い出深いものといえば、3年ほど前の『ニューゴールド・ドリーム』ですね。1980年代の音楽が満載のクールな作品だったんです。テレビと舞台では作り方が全く違います。テレビは制作の進行が早く、特に『Shortland Street』は月曜から金曜まで毎日新しいエピソードがオンエアされますから、次から次へと撮影をこなすという感じです。あるシーンを撮り終わったら、もうそのことは忘れて次のシーンへと頭を切り替えなければ間に合いません。
舞台の場合、公演期間が1ヶ月くらいありますから、その間は毎日同じ芝居をしますよね。公演の前には稽古も1ヶ月ほど行うので、よりその作品、その役柄にじっくり取り組む感じです。そして、同じ演目でも日々異なることが面白い。舞台は出演者だけでなく、観客と一体になって作り上げるものなので、会場の雰囲気・コンディションによってガラリと変わるんですよ。それに、自分でも毎公演後、演技の出来を振り返って、翌日の芝居内容を練り直し、変化を付けますしね。その日の舞台がどうなるかは、幕が開いてみないとわからない。そこが舞台の醍醐味だと思います。
演技に対してダイレクトにリアクションがあることも、テレビとの相違点です。テレビは撮影してから放映されるまでに1〜6ヶ月くらい間があくので、視聴者からの反応にもタイムラグが生じるでしょう。私はテレビ、舞台の仕事はどちらも大好き。両方の芝居の違いを存分に満喫しています。
映画に関しては、まだ『シオネズ・ウエディング』で小さな役を演じたくらいの経験しかないのではっきりとは言えないのですが、テレビよりも時間と制作費をかけ、細部にまでこだわって作られていると感じています。
ニュージーランドでは『ロード・オブ・ザ・リング』以降、『クジラの島の少女』、『ナルニア国物語』など、世界で高く評価される作品が多く生み出されていますよね。また、『バナナのように』のロザンヌ・リアン監督のような才能溢れる若手監督も次々と登場しています。私も、これからは映画にももっと出演してみたいですね。

次の夢はハリウッド進出!

今、私が『Shortland Street』で演じているリビーは、ほかの人が言わないことを言ったり、突拍子もないことをしたりして、彼女独自の世界観を持っている、興味の尽きない役柄です。私は彼女に愛着を持っているんですよ。自分とは全然違うキャラクターという点でも演じ甲斐があります。
個人的には映画でもテレビでも演劇でもコメディが好きですね。観る分にはもちろん、演じるのも楽しい。その一方で、シリアスな役にも惹かれます。これからさらにいろいろな役柄を演じて、芝居に幅を持たせたいと考えています。
ここのところ、平日は毎日、早朝から夜まで『Shortland Street』の撮影にかかりっきりです。家に帰っても脚本を読んで台詞を覚えていますから、基本的にはいつも仕事モード。余暇には趣味の乗馬や、以前習っていた少林寺拳法、太極拳などに興じたいのですが、なかなか時間が取れません。
それでも女優という職業を愛しているので、多忙なスケジュールでも平気。むしろ忙しいのはたいへんありがたいことだと感謝しています。
今後は、ニュージーランド以外の国でも仕事をしてみたいですね。例えば演劇の本場であるロンドン。あの街で舞台に立ったら、すごく勉強になるでしょうから。プライベートでいえば、焼き鳥と日本酒と焼酎とカラオケが大好きなので、ぜひ東京に行きたいです。できれば日本でも仕事をする機会があれば尚いいですね。
そして次の大きな目標はハリウッドへの進出です。ニュージーランドの何千倍も競争が激しいから、簡単なことではないとわかっていますが、アクションを起こさなければ始ま
らないでしょう。そのために今はこの国でしっかり働いて演技経験を重ね、資金を貯める予定です。女優の仕事に就き、キャリアを積むには、自分を信じて何度でも挑戦し続けるしかないんです。オーディションを受けても落ちるかもしれない。でもオーディションは1回だけではないし、チャンスはたくさん転がっている。好機がいつ訪れるのか、それは諦めずにねばらなければわからないこと。私も自分は女優になれると信じ、真っ直ぐに努力したから夢が叶ったのだと思うんです。ハリウッドへの道もきっと拓けるはず。そう信じてチャレンジし続けますよ。

カテゴリ:女優
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