Vol.143 NZでゴルフを学ぶ - Business College |
オークランドのBusiness Collegeではゴルフを勉強して、NZQAの資格が取得できる。プロはもちろん、プロにはならなくてもコーチになったり、ゴルフコースの設計をしたり、クラブのデザインをしたり、クラブの経営に参加したり、将来ゴルフに関わって仕事をして行きたいという人には必須のコースだ。このコースの先生であるSergio Figueroaは今年からBusiness Collegeに参加し、ゴルフクラブを握る実技だけではなく、理論、歴史、経営そして心理学までを講義する座学もカバーしている。ゴルフが“勉強”になるというゴルフコースについて紹介していただいた。
【Profile】
Sergio Figueroa
Business College NZ Golf Course Tutor, AA NZPGA Professional
コロンビア生まれ。2002年ニュージーランドでプロ(NZPGA)となる。ゴルフを勉強にするとゴルフ好きには楽に感じられるが、そんな事はなく、座学もあり、その大変さに驚いて生徒が途中でドロップアウトしないよう楽しく、気楽に勉強できる環境を常に心がけている。スペイン語もネイティブ並み。
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ツアープロとレッスンプロ
私は5歳のとき故郷のコロンビアから両親と移住しました。十代の頃からゴルフに興味を覚え、90年代の半ばからノースショアにあるタカプナゴルフクラブで働き、ゴルフ業界との関わりが始まりました。2002年にニュージーランドでプロ(NZPGA)になりました。
「なぜトーナメントに出場しないのか?」と、よく聞かれます。プロゴルファーには二種類あり、タイガー・ウッズのように競技大会に出て報酬を得る「ツアープロ」と、基本的には特定のゴルフ場やゴルフ練習場などに所属し、来場したゴルファーの求めに応じて指導を行うことで報酬を得る「レッスンプロ」があります。ゴルフというとテレビでよく紹介される「ツアープロ」の方がほとんどなので、皆さんそう聞くことが多いのでしょうが、私は後者の方に興味がありました。「競技としてのゴルフ」よりは「スポーツとしてのゴルフ」に興味があったんですね。ですから、私はもっぱらゴルフショップの店長やゴルフコースでレッスンをやってきたわけです。で、今年になってBusiness Collegeのゴルフコースの先生になり、オフィスと教室のあるタカプナゴルフクラブをベースにしています。
生徒たちのゴルフのレベルは様々です。ゴルフをはじめたばかりの生徒もいます。また目的もそれぞれ違います。コーチになりたい生徒、ゴルフコースを設計したい生徒、プレーが好きでそれが高じて資格を取りたい生徒など、さまざまです。また、年齢や性別も様々です。このように様々な要素が違っているので、英語学校のように同じレベルの人を集めて一緒に教えるわけにはいかないのです。ゴルフコースの先生はひとりひとりパーソナルで教える必要があります。生徒ひとりひとりのパーソナルなデータをいつも頭に入れて授業を行うのです。
ゴルフの資格、学位
ニュージーランドには約400のゴルフコースがあります。人口の割にはコースが多く、中には世界レベルのコースもあります。ですから、ゴルフ好きな人にはニュージーランドは世界で最も楽しめる国のひとつなのです。
そんな国ですから、ゴルフを“勉強”にするのも悪くはないでしょう? Business Collegeで用意しているゴルフコースの主要な二つのコースを紹介しましょう。
まず、Certificate in Golfがあります。NZQA認可の一年間のコースでステージ1とステージ2に分かれています。ステージ1はゴルフの実技と理論の基礎を勉強します。実技はハンディキャプが18から10までを目指します。ステージ1を終了しなければ進めないステージ2ではゴルフスイングの科学、ゴルフの歴史、心理学などの理論とゴルフクラブのメンテナンス、ゴルフコースの設計、芝のメンテナンスも勉強します。実技ではハンディキャップが15から5までを目指します。
さらにDiploma in Golfがあります。これは一年間のレベル5のコースです。上記のCertificate in Golfを終了したあと、自己能力開発、コーチングなどビジネス的要素を勉強します。このコースはゴルフとは言えど、課題がたくさん出され、テストもたくさんあり、卒業するまでにはしっかりと勉強する意志が必要です。実技ではハンディキャップ6から0までを目指します。
スケジュールは月曜日はタカプナゴルフクラブにある教室で丸一日じっくりと理論を、火曜日から木曜日は午前中打ちっぱなし、午後は理論を勉強します。天気がいいに日はコースに出て芝生の上やバンカーの縁に腰掛けて授業を行うこともあります。真剣に、一生懸命勉強するけれど、楽しく勉強したいですからね。金曜日は実際にゴルフコースに出ます。オークランドの街からアクセスの便利なゴルフ場7〜8カ所と契約しており、生徒は安い料金でプレーできます。名門コースと言われるガルフ・ハーバーやグレンジもその中にあります。金曜日は毎回違うコースに出るようにして、いろいろなコースを経験できるよう配慮しています。
ゴルフも英語も勉強したい方へ
ゴルフを楽しんでさらに英語も勉強できるというわがままなコースもあります。Certificate in English and Golfという一年コースです。週3日ゴルフ、週2日英語というスケジュールです。英語がビギナーレベルでもゴルフを上達させたい方にはうってつけのコースです。英語はコミュニケーションが取れるようになるまでを目指し、ゴルフは今のレベルよりもハンディキャップが10前後上がる事を目指します。
また、NZQAの認定コースではないのですが、ゴルフだけ集中的にプレーしたい人にはGolf Short Coursesとして個人からグループまで対応できます。Business Collegeで勉強している生徒の知人や友人がニュージーランドに訪ねて来た際にゴルフをプレーしたいというケースが多く、2日間から12週間まで個別にゴルフレッスンを行う事ができます。
ゴルフを“勉強”にして“資格や学位”を取得する事は不思議に思えるかもしれませんが、理論と実践の両方をカバーする事でNZQAも認める学問となるのです。ゴルフに関わる仕事に興味のある方にはぜひトライしていただきたいコースです。
この記事を読んでゴルフを学んでみたい方、ビジネスカレッジに興味のある方、ニュージーランドへ留学したい方は下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ留学センター「イースクエア」までご連絡ください。
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