Vol.154 Queens Academic Group |
日本での経験を最大限に活かした永住権への選択です。/福井勝美
日本を後にしてニュージーランドでの生活を目指す人が増えて来た。福井勝美さんもニュージーランドに旅行に来てから、そう考えるようになったひとり。福井さんの前職はIT企業の敷設、修理部門の会社に所属するエンジニア。この前職を活かして永住権を取得するために探したコースがQueens Academic GroupのDiploma in Electronics & Telecommunications Level 7だ。
もともと文系だった福井さんにとって、Electronics & Telecommunicationsは前職と同じ分野とは言っても、英語で勉強するため、一度日本語で調べて理解してから英語に戻るという、二倍の時間と労力をかけなければならない。永住権を取得するためには努力を惜しまないと決意した意気込みを語っていただいた。
【Profile】
福井勝美
Diploma in Electronics & Telecommunications Level 7, Queens Academic Group
1978年京都府生まれ、育ち。同志社大学商学部卒業。奈良県警に就職するも、NTT系列の修理部門会社のエンジニアとなる。勉強の合間にはワイウクにある日本の神社でボランティアとして活動する。剣道3段。ニュージーランドで腕を試す機会を探している。
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和僑になる
2013年の5月に南島南部の街ワナカに旅行に行き、レイク・ワナカ・ロッジに宿泊しました。その時に住んでいる日本人の方々に会い、ニュージーランドに好印象を持ちました。日本に帰ってからも、ニュージーランドへの想いが消えず、住んでみたいと思うようになりました。中国人が華僑と言って世界各国に住んでいるように、私は和僑になろうと決めたのです。
私はNTT関連の修理部門会社のエンジニアで、通信インフラの保守・運用部署にいましたので、この仕事の経験で永住権を申請できると思いました。といいますのは、今ニュージーランドはちょうど国策としてADSLから光ファイバーに切り替えの最中で、それが出来る人材が必要であることが分かったのです。これはまさに自分にぴったりの職種であると確信したのです。
永住権のポイントを得るためには専門学校で2年間の勉強が必要になります。その後、勉強した分野で仕事を見つけてワークビザを取得し、その現場で数年間働いてから永住権を申請するという長いプロセスが待っています。私が日本で関わっていた通信インフラの敷設やネットワークセキュリティを勉強するにあたって専門学校を探した際に最も私に適した分野の勉強ができるのがQueens Academic Groupだったのです。
今年の2 月に一般英語コースに入学し、6月に英語の校内試験に合格しました。そして7月にDiploma in Electronics & Telecommunications Level 7に入学したばかりです。クラスは15人いて、韓国、マレーシア、日本からの私も含めてひとりずつ、あとはインドからの学生です。先生もインド系の人が多く、インドではこの分野が伸びるのではないかと注目されているようですね。インドで通信インフラの敷設となると、引っ張りだこになるのが想像できます。
経験があるとは言え、、、
私はもともと文系で商学部卒業です。大学卒業後に奈良県警で警察官になりました。最初の2年は奈良県内の交番、その後、成田国際空港の機動隊で2年、最後は2年間の交番勤務に戻りました。NTTへ転職したのは縁があったからですが、治安、つまり現状維持=セキュリティと考えるとネットワークセキュリティに携わったのは何か関連があるのかもしれません。と言うことで文系の私が今勉強している、Electronics & Telecommunicationsは純粋な理系分野ですので、前職で5年間のエンジニアの経験があるとは言え、授業の内容を英語でその場で理解するのは本当に大変です。ですから家に帰って来て日本語で勉強内容を理解し、その後英語で学校で習ったことを身につけるというプロセスが必要になります。この二度手間のプロセスはストレスがあるのですが、永住権に向けて少しずつでも近づいている感覚がありますので前向きになれるのです。
今勉強しているのはEngineering Mathematics(エンジニアのための数学)、Electrical Principles, Circuits&Electrical Devices(電気理論、電気回路、装置)、Digital Electronics(デジタル回路、論理回路)と文系の人には気の遠くなるような科目です。例えば学生の頃習った微分、積分は英語ではなかなか言えないのではないかと思います。それこそ、その専門でなければ必要ないですよね。ちなみに、微分はDifferentiation、積分はIntegrationといいます。世間一般にはDifferentiationは差別化、識別、Integrationは統合、統一などの意味としてみなさん理解しているはずです。
神社でのボランティア
勉強の合間の週末にオークランドの西部の郊外にある街ワイウクの神社でボランティアをしています。ニュージーランドに在住している方でもほとんど知らないと思うのですが、京都のある神社が南島のワナカにニュージーランドに支社を作りました。そこをニュージーランド総本社にして、ワイウクを支社として設立しました。神社と言っても日本のように神社社(じんじゃやしろ)を作ったのではなく、古くから地元にある教会の建物の中に神社を作らせていただいたのです。ニュージーランドにいても七五三のような日本の行事が出来るようになりました。それぞれの神社に神主さんがいて、氏子さんがいる日本と全く同じ神社と考えてください。
私は月に1回第四土曜日、2時間の日本語教室のボランティアに参加しています。日本語を学びに来る人はローカルのキウイで参加費用はかかりません。他には第一土曜日に開かれる生け花教室でボランティアをしている人もいます。5ドルの参加費がかかりますが、地元のキウイや日本人が参加しています。
ニュージーランドでなぜ日本の神社?と考える方も多いと思います。ですが、初詣、節分、ひな祭り、端午の節句、七五三、年越しなど、海外にいることでより深く日本の文化を理解できるのではないかと思います。
ニュージーランドで必要とされる職種
私が今勉強しているElectronics & Telecommunications Level 7は2年のコースで、1年目はLevel 6を勉強します。電子工学、通信工学、数学、電子通信システムの基礎を学びます。2年目はそれらの応用となります。NTTで仕事をしている時にわけが分からず、ただこうするんだよと言われてやっていたことが、理論づけて勉強しているので、より深く理解できるようになって来ました。
卒業後の就職は例えばニュージーランド・テレコムの子会社で通信インフラの大手Chorusなどがあります。街を走っているChorusのバンをよく見かけませんか? 実はニュージーランドは2019年までに通信インフラの75%をADSLから光ケーブルに敷設し直す計画を立てています。「ウルトラ・ファースト・ブロードバンド」と言って宣伝しているやつです。日本はすでに敷設し終わっていますが。
通信ネットワークの環境の違いが日本とニュージーランドの国民性を反映していると思います。例えばスマホですと日本では料金プランには定額制があり、24時間繋がっていて、速く通信できてあたりまえと考えています。しかし、ニュージーランドでは使用データで料金を決める人が多く、スピードを気にして、繋がっていなければ不安になるという人は少ないと思います。日本では今後スマホを使ってクーラーや冷蔵庫など家電やセキュリティなどの遠隔操作ができるようになるなど、ニュージーランド人が何もそこまでやらなくてもと、考えることまで進化して行くと思います。
いずれにしろ、ニュージーランドも日本のように通信インフラが整備されることは間違いありません。この業界は活気づいていますし、エンジニアも不足職種になっていますので、確実に永住権に結びつけたいと思います。
この記事を読んでQueens Academic Groupに興味のある方、ニュージーランドでElectronics & Telecommunicationsを学びたい方は下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ留学センター「イースクエア」までご連絡ください。
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