日本に比べ、技術、サービス共に遅れがちだったNZの携帯電話ですが、昨今急激に進展を遂げ、日本との差を縮めつつあります。テキストメッセージはもちろん、Eメールや写メール、携帯バンキングなどもできるようになり、現在携帯電話のNZ普及率は全人口の75%にもなります。
NZで携帯電話サービスを行っている主な会社は025/027の局番を持つTelecom
N.Z.と、021/029の局番を持つVodafoneです。どちらもNZ全土の生活圏97%をカバーしていますが、エリア内でも一部局地的に電波圏外になる場所があります。
一番違うのはその方式で、Vodafoneは現在の世界標準であるGSM方式を採用しています。GSM方式の携帯電話の大きな特徴はSIMを使用していることです。SIM
(Subscriber Identity Module)とは携帯電話用のICチップのことで、その中に契約会社や電話番号等の情報が記録されており、GSM端末にこのSIMを装填すれば、通話、メールなどの利用が可能になります。つまりGSM端末1台持っていれば、あとは各国のプリペイド式SIMを購入するだけで、現地の電話会社を使って通話することが可能です。
Telecom N.Z.は日本の携帯電話同様CDMA方式で、それぞれの電話回線専用の端末になっています。
プランはどちらも大きく分けるとプリペイドと契約がありますが、契約プランはNZ長期滞在者以外の加入は難しいようです。
さらにプリペイドには、1分間の通話料が時間帯によって平日昼間(7:00-19:00)$1.39で夜間&週末$0.49と異なるプラン、発信先によってテレコムまたはボーダフォン同士とランドラインへは$0.49でそれ以外は$1.39と異なるプラン、または時間帯、発信先に関係なく一律$0.89の3つのプランがあります。
契約の場合は、それ以外に含まれているフリー通話時間やフリー・テキストメッセージ数によってさまざまなプランがあります。
また、途中でプランをプリペイドから契約、もしくは契約からプリペイドに変更したい場合、Telecom N.Z.では現在の電話番号をそのまま使用できますが、Vodafoneでは新たに番号を取得する必要があります。
プリペイド式携帯電話のトップアップは、最寄りのデイリーなどでリチャージカードやトップアップバウチャーが購入できるほか、ANZ、Westpac、ASB、BNZ(Vodafoneのみ)
Bankの口座をお持ちの方は、ATMでトップアップバウチャーの購入が可能です。また、クレジットカードを使ってインターネットや電話でもトップアップができます。
Vodafoneの場合、最後にトップアップが行われた日から1 年が経過すると、クレジットは無効になり、SIMカードのナンバーそのものも消滅してしまうので注意が必要です。一方Telecom
N.Z.の場合は、有効期限はありません。
テキストメッセージ関連では、Telecom N.Z.の月$10で500テキストメッセージの送信が可能なサービスがありますし、Vodafoneでは、クレジットの残りが20c以下になったとき、「IOU」と468にテキストメッセージを送ると$2がトップアップされるサービスなどがあります。そしてその分は次回トップアップ時に差し引かれる仕組みです。
Eメール送受信は、どちらの会社も対応しています。Telecom N.Z.は、Xtraメールアカウントを契約していることが条件になりますが、携帯電話からEメールの送受信ができます。Vodafoneの場合は、ウェブサイト上での設定で@vodafone.net.nzのアドレスが取得でき、日本の携帯やパソコンともメールのやりとりができます。ただし、どちらも機種によっては対応していない場合があります。
昨年9月末時点での国内シェア率は、Vodafoneが56.3%と、サービス面でやや優勢なようですが、それぞれに独自のサービスを提供していますので、それら個々のサービスの必要性、または使用頻度などを考えたうえで、自分の生活スタイルに合ったプランを選ぶとよいでしょう。
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