テナンシー

 賃貸の契約をするときよく耳にする言葉テナンシーですが、これは不動産の賃貸の借用契約のことをさし、そのタイプは3つあります。
 Periodic tenancyは、家主もしくは借り手が解約の意思表示をするまで続けられる借用契約のことで、最も一般的なのがこのタイプになります。
 Fixed-term tenancy は契約時に期間を定める借用契約で、家主と借り手は基本的にはその期間が満了するまで解約することができません。たとえば1年の契約を結んだが半年居住後に転居することが決まった場合、残りの半年についても借り手は家賃支払い義務があります。ただし、家主が別の借り手見つけ、新たな契約を結んだ場合はその限りではありません。
 Service Tenancy は雇用主が従業員用に用意した住居に適用されます。
 
 Tenancy Agreementは契約時に家主と借り手の間で交わされる契約書のことで、関係者すべての氏名、ボンド(敷金)について、契約に含まれる家財のリスト、契約開始日と終了日(Fixed-term tenancyのみ)、住所が記されおり、双方のサインがあって初めて有効となります。また、後々のトラブルを防ぐため、備え付けの備品が壊れたときの修理代はどちらが負担するのかや、庭の芝刈りはレント(家賃)の中に含まれているかなど、契約時に明確にしておきましょう。そして、渡された控えは必ず契約が修了するまで大切に保管しておいてください。

 契約時、家主は借り手に対して、最高2週間分の家賃の前払いと、最高家賃4週間分をボンド(敷金)として請求できます。支払われたボンドはすべて政府機関であるTenancy Service Bond Centreで保管され、賃貸した先へのダメージや家賃未払いがなかった場合は契約終了時に全額返却されます。
 家賃の値上げは前回の値上げから半年以上の期間がおかれなければなりません。また、値上げを実行するにあたっては、家主は借り手に60日前までに通知することが義務づけられています。

 家主には借家の状態を視察する権利があると同時に、借家を良好な状態に保つ義務があります。しかし、一方で借り手側のプライバシーも守られなければならないため、家主による視察は月一回を超えない範囲で、48時間以上14日以内前までに借り手に通知したうえで、8am?7pmの間に行われます。修理などで敷地内に入る必要のあるときでも、緊急を要さない場合には24時間以上前の通知が必要です。
 また、緊急の修理が必要で家主に連絡が取れない場合は、借り手は自分で業者を手配し、料金は後日家主に請求することができます。

 契約終了の通知は、借り手側の希望による場合は21日前まで、家主側の希望による場合は90 日前までに文書にて行われる必要があります。ただし、契約終了後に家主やその家族が居住を予定している場合や家が売却された場合は、42日前までの通知になります。
 契約終了時、何も問題がなければ契約時に支払ったボンドは返却されますが、新しい契約先にトランスファーすることもできます。借り手、新家主、旧家主のそれぞれがサインしたBond Transfer FormをTenancy Bond Centreへ送付すれば手続きすることが可能です。Bond Transfer Formなど各種フォームはhttp://www.dbh.govt.nz/housing/tenancy/Forms/forms.htmlからダウンロードできます。
 また、契約終了が決まったら家主または不動産会社から推薦状(Reference)をもらっておくとよいでしょう。次の賃貸契約の際、手続きをスムーズに進めるのに役立ちます。

 家主との間で何かトラブルが起きた場合には、Tenancy Tribunalに申し立てることができます。Tenancy Tribunalとは、賃貸に関するあらゆるトラブルを取り扱う政府機関です。良心的な料金設定で、ワーキングホリデーや学生の方でも気軽に利用できます。


西田 涼子 / Ryoko Nishida
Harcourt/Holmwood Real Estate Ltd.
不動産コンサルタント
397-399 Ilam Rd. Ilam Christchurch
Mobile: 027-416-0230
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ストリーミング

 ストリーミングとは、インターネットでラジオ放送やテレビ放送を実現するための技術で、ユーザーはダウンロードしている最中の音声や映像などのマルチメディアデータを、リアルタイムで再生することができます。
 1990年に世界で初めて開発された後、ブロードバンドの発達とともに2000年初頭に商業ベースでの利用が可能になりました。実質的な歴史は8年ほどで、インターネットの世界ではまだ新しい部類に入る技術です。

従来の方法では、音声や画像などをインターネットで楽しむためには、そのファイルのダウンロードを完了させる必要がありました。コンテンツが長時間でファイルが何メガバイトもあるとダウンロードに常時接続のブロードバンドでも数十分、時には数時間もかかるほか、データをすべて保存しておかなくてはいけないため、ファイルの容量も非常に大きなものになってしまいました。
 これに対して、ストリーミング再生はファイルを受信しながら同時再生していきます。テレビやラジオように「生放送」も可能になり、世界中で行われているコンサートやスポーツ実況などをライブ放送で楽しめます。通常これらのファイルは保存されないため、ハードディスクにも負担がかかりません。
   
 ストリーミングにはライブ放送とオンデマンド放送があります。ライブ方式とは「生放送」のことで、その場の映像や音声をリアルタイムに配信する方法です。「生放送」ですから、それを利用するときはあらかじめ時間を確認しておく必要があります。
 オンデマンド方式は、すでに録音、録画しているコンテンツをサーバー側においておき、ユーザーからのリクエストがあったときにいつでも利用できる方法です。ライブではありませんので、巻き戻しや早送り、一時停止などが出来ます。

 ストリーミング放送はインターネットブロードバンドに接続できる環境があれば誰でも手軽に視聴できます。現在主流になっているのはブラウザ組込み型で、プラグインが必要になります。Microsoft社のWindows Media Playerや、Real System社のReal Player、Apple社のQuick Time Playerなど、ブラウザ中に表示されるソフトを用いてコンテンツを視聴しますが、再生方式に合ったソフトがインストールされていない場合は、各社のウェブサイトから無料でダウンロードすることができます。最近では専用ソフトに依存しないJAVAベースの技術も開発されていますが、まだ一般的ではありません。

 コンテンツは、英語のリスニングプログラムやさまざまなDJや音楽がインターネットラジオで楽しめるイギリスのBBC worldservice.com (http://www.bbc.co.uk)や、長短編を問わず幅広く映像作品を集めたオンライン映画サイトIFILM.com (http://www.ifilm.com)など、さまざまなジャンルから選べます。中には有料のものもありますので、視聴する際には注意が必要です。

 また、ストリーム技術は番組配信サービス以外にも、インターネットを利用した電話などにも応用され始めています。さまざまな可能性を秘めたストリーミングですが、まだまだ電波放送などに比べ、接続が遅く料金も高いことから、利用者はそれほどいないというのが現状です。しかし、今後は技術のさらなる進歩によって、インターネットを使ったストリーミング放送がより身近に楽しめるようになるでしょう。


松本 佳久 / Yoshihisa Matsumoto
Seiya Enterprises Ltd.
5th Floor Tasman building,
16-22 Anzac Avenue, Auckland
Email: contact@ecube.co.nz

銀行口座
 NZで生活を始めるうえでまず必要になるのが銀行口座ですが、NZの銀行にはさまざまな種類の口座があり、どの銀行口座を開設したらよいのか迷われる方も多いのではないでしょうか?

 まず、毎日のように使用する主な口座としては普通口座があり、この中には手数料のかかるものと一切かからないものに分かれます。
 手数料のかかる口座には金利もつきます。手数料には口座維持費のほかに、ATMやEftoposの使用料からカウンターでの引き出しに対してかかる手数料などさまざまで、金額もそれぞれ違っています。口座によっては残高が$1000以上の場合は口座維持費が、$5000以上の場合は一切の手数料が無料になります。
 まとまった資金が用意できない場合でも、手数料が得た金利よりも多くならないように工夫すれば、手数料無料の口座よりもお得といえます。また、オプショナルでパーソナルチェックを持つことができます。日本では個人で小切手を使う習慣があまりありませんが、NZでは小切手での支払いが一般的なので、さまざまな支払い予定のある人には便利です。ただし、パーソナルチェックの申込みには審査がありますので、一定収入のない場合は難しくなります。 
 一方、残高に関係なく手数料無料の口座では金利もつかないことが多く、そのような普通口座のみを持っていると高金利の恩恵を受けることはできません。また、手数料無料を謳っている口座でも、一月10回までの引き出し手数料は無料だがそれ以上の引き出しには通常よりも高い手数料がかかるなど、条件付きの場合もありますので注意が必要です。
 ある程度まとまった資金があったり、定期的な収入が見込めるなら、手数料を無料にするために一定金額を普通口座に寝かせておくよりは手数料無料の口座を選び、普通口座と併用してセイビングスアカウントや定期預金など高金利の口座を利用することが賢い利用法といえるでしょう。
 
 セイビングスアカウントは、小額から始められ毎月金利がついてきます。月一度の引き出しは無料ですが、2回目以降の引き出しは、各銀行によって$1?5の使用料が回数ごとに課せられますので、月に何度も引き出す可能性のある方にはお勧めできません。
 定期預金では、さらに高金利を得ることができます。この口座は決められた金額を一定期間預け、金利は満期日に一括で支払われます。ただし、満期以前に預金の一部または全額引き出すと、ペナルティーとしてその日までに得た金利より手数料が引かれますので、この口座は近い将来使う予定のないまとまった資金の貯蓄に向いています。
 当社では、預ける期間に制限がなく、しかも定期預金並の高金利が得られ、解約時のペナルティーなども一切かからないCash Fundという口座があります。新しいタイプの口座で、高金利目当ての投資家の方にはもちろんワーキングホリデーの方にも滞在中の資金をフルに活用するのに適しています。

 どの口座の場合でも、自分の生活をみつめて毎週または毎月必要になる出費をしっかり把握し、現金の引き出し回数をコントロールすることが、手数料を安くあげて高金利の恩恵を最大限に得ることにつながります。また、生活や支出入の変化に合わせて口座を変更していくことも有効でしょう。
 銀行口座の開設に当たっては、手数料や金利だけにこだわらず、自分の生活スタイルや利用回数などをバンキングコンサルタントとよく話し合い、自分に最も適した口座を選びましょう。


Aiko Niinomi
The National Bank
Customer Service Officer
205 Queen St Auckland City
09-359-9813

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