VOL.65 6月号


NZで活躍する日本人

時代を飾るキウィ




自由時間 : ワーキングホリデーやスチューデントで活躍中

<ワインショップアシスタント / NZ Winemakers Centre : ファイソン 幸さん | メイン | J-Shine学生 / LETS : 田尻奈津子さん>

英語講師養成講座学生 / GEOS : 松山 記代子さん

いつか自分の子供ができたら、
世界で通用するジオスのTESOLとTECSOL資格を活かして、
近所の子供を集めて英語を教えたいです。


 

小学生の頃、先生になることが夢だったという松山記代子さん。その夢は消えることなく、そこに向かって動き出した彼女。昨年暮れから、TESOL準備コース、TESOLコース、TECSOLコースという3つの英語講師養成講座をGEOS Auckland Language Centre(以下、ジオス)で受講し、あらゆる年齢の生徒に英語を教えるための基礎から応用までを習得した記代子さんに、これらのコースについてお話していただいた。

 

 

 

Kiyoko Matsuyama
松山 記代子
1980年京都府生まれ。2003年京都産業大学外国語学部、ドイツ語学科卒業。教育関係の企業に就職し、受付営業を3年間行う。2006年6月にNZに渡航。ジオスに入学。ジェネラルコース、IELTSコースで英語を勉強した後、TESOL準備コース、TESOLコース、TECSOLコース(各5週間)で勉強。TKTの資格を取得。現在、エクスチェンジでSurf’n’Snowバックパッカーズのレセプションで働く。楽しかった思い出は、1ヶ月間の旅行で最南端にあるスチュワート島まで行ったこと。


理想的な環境で英語留学

 世界で1991年に出版された哲学の手ほどきとして構想されたファンタジー小説『ソフィーの世界』を知っていますか?この本の中に、「学校の先生は、いろいろよく知っている振りをして、知識をただ述べているだけだ」って書かれているのですが、それについてどう思いますか?私は小学校の頃に先生になりたかったのですが、この言葉に影響されて、いったん先生になるのを諦めたんです。それで、大学では外国語学科でドイツ語を専攻して、その後、企業に就職しました。でも、ジオスで知り合った外国人の友人は、この同じ本を読んで、逆に良い先生になりたいと思って、やる気がでたそうなんです。これは、面白い発見でしたし、励みになりましたね。そして、そんな私が、また先生を目指して勉強しているなんて不思議ですね。
海外に興味を持ち始めたのは、大学生のころでした。外国語学部の半分の生徒たちは、休みに1ヶ月くらい海外で過ごすので、私もそれに影響されて、大学3年生の夏休みにドイツへ、そして4年生の時にシドニーに1ヶ月間行きました。でも、いつも休みの間だけだったので、将来、絶対に長期で海外留学する、ってその頃から考えていましたね。ただ、日本で社会人の経験をすることは、将来的にとても大事なので、最低3年間は働こうと決めて、教育関係の会社の受付として働きました。また一方で、社会人2年目ごろから英会話学校に通いはじめて。そして、丸3年間働いた昨年4月に会社を退職して、6月にニュージーに来たのです。
ジオスは、ニュージーに来てから、自分の目で見て決めました。私にとって、学校を決める条件でもっとも重要だったのが、ナショナリティの豊富さ。やはり、いろんな国の人の考え方が知れて、刺激があるのが魅力です。まず、ジオスのジェネラルクラスとIELTSクラスで英語の勉強をしましたが、英語クラスも国籍が豊かで。クラスメイトは、フランス人、ドイツ人、サウジアラビア人、韓国人、ロシア人、タイ人、台湾人で、日本人が1、2人しかいなくて、理想的な環境で勉強できました。


英語の先生になるために専門留学

英語を勉強した後、引き続きジオスで、15歳以上の生徒に英語を教えるための英語講師を養成するTESOLの準備講座とTESOL講座を受講し、その後、TESOL(児童英語講師養成講座)で勉強しました。なぜ、また先生になるための勉強をしたいと思ったのかは明確ではないのですが、きっと興味がそこにあるのでしょう。親にも「先生になりたいから留学する」と言いましたし、ジオスの日本人カウンセラーのまきこさんにも、「英語の先生になるための資格が取りたい」って、気づいたら言っていたんですね。
コースはとにかく大変でしたね。まきこさんからもそう聞いていたのですが、実際にこのコース中に3キロ痩せました。私の場合は、TESOLコースにいきなり入る自信がなかったので、まず準備コースに入りました。TESOL準備コースは、英語はそれほど難しくないのですが、教育に関してベースがない私にとって良い基礎づくりになりました。もし準備コースに入っていなかったら、その後の授業について行けなかったと思います。だって、はじめは、準備コースで学んでいることの意図さえも理解できないことがあったんですもん。たとえば、生徒の褒め方です。まず、生徒を褒めるにはどんな言葉があるか?を考えて。次に、褒め言葉の「ファンタスティック(Fantastic)!」を明るく言う方法を学び。それから、褒め過ぎるといけないとか、褒めるタイミングとか、褒めることについて多くのことを習いました。こんなことを考えたのは初めてでしたね。授業では、他に授業の方法、授業のルールなど、基礎的なことを学びました。日本では、8割方、先生が生徒に教え込むのが普通ですが、TESOLの教育方法は、生徒にどれだけ発言させるか、生徒に理解させるためにどういう方法がいいのか、ということを先生は考えています。生徒同士で実習しながら、これらを学んでいくのですが、この準備コース修了の頃には、TESOLの教育方法が、私の中で当然のことに変わっていました。

 

ハードだけど遣り甲斐のあるTESOLとTECSOLコース

TESOLの本科コースに入ったら、いきなり実践実践で。でも、それによって、かなり自信がつきました。授業は、午前中に授業の方法や理論を学び、午後の90分間の授業で、先生になって実習するというもの。3人の生徒が30分ずつカリキュラムを作って担当するんです。5週間の間に、9回か10回くらいは、私も先生の役割をしました。始めの30分は、ブレーンストーミングやグループディスカッション、問題などをさせながらテーマに入っていきます。真ん中の30分では、そのテーマ(文法)の勉強と練習問題。最後の30分は、生徒にその文法を使って文章を作らせるのです。先生は、ボディーランゲッジを使って、みんなを乗せないといけないし、簡単そうなことでも実際にしてみると、考えていたよりずっと難しかったです。またこのコースには、このような模擬授業のほかに、600文字の論文課題が6回とTKTテストの勉強があって、かなりハードでした。英語の論文を仕上げるために、徹夜をした生徒も多かったようです。でも、苦労した分、とても充実していましたね。
TESOL修了後、子供に英語を教える先生を養成するTESOLコースに入りました。このコースに入って感じたのは、生徒が大人と子供とでは先生の仕事が大きく異なること。まず、大人の生徒は長時間、席に座っていれますが、子供はじっとしていません。幼稚園の先生は、生徒に歌をうたわせたり、ハサミを使わせたり、絵を描かせたり・・・、とても目まぐるしい印象でしたね。そのため、授業でもアクティビティをたくさん作って、子供たちを飽きさせない方法を学びました。ストーリーテリングも、これまでのイメージと違い、単に本を読むのではなくて、生徒を導くというものでした。「ワンワン。これは何をしているの?」という質問をして、「吠える」という単語barkingを導いたり。単に「これは誰?」とストーリーの流れに沿って質問したり。小細工も必要で、用意も大変でしたね。また、教育方法にはルールがあることも知りました。子供に英語を教える時は、簡単なものから難しいものへと教えていくのがテクニックで、スピーキングの方がライティングよりも簡単なので、まずスピーキングから始めるとか、ゲームをする場合は、説明に集中させるために道具を先に渡さないとか。こんな風にいろいろ勉強していくうちに、教育方法の緻密さを感じましたね。

 

海外留学だからこそ得られる経験

ニュージーでTESOLやTECSOLを勉強して良かったことは、やはり現地の幼稚園や小学校に行ったり、ジオスに来ている留学生の子供たちと接する機会があったこと。今でも実際の学校を見学して感じたことが、心にとても残っています。先生が想像以上に強く、リーダーとなって生徒を従わせていたのが印象的でした。それと、子供が生徒の場合は、マネージメント能力がとても大切なのだと感じました。優しいだけでは駄目なんだなって。ジオスの授業でも、子供同士が喧嘩した時の叱り方など、マネージメントについて学びました。また授業で、ひとりの生徒にフォーカスを当てて、レポートを書く機会があったのですが、私が担当した生徒は、内気で少し冷めている10歳の生徒で、非協力的な面が目立ったので、グループで勉強させて、社会性を身につけさせることが必要だと肌で感じましたね。英語を教えるだけではなくて、生徒を精神的にサポートして、生徒と向かい合うことの重要さを実際の例で学べたのは、素晴らしい経験だったと思います。
ジオスのTESOLとTECSOLコースは、先生のレベルが高く、修了時にNZQA認定の資格やTKTの証明書、そしてティーチャー・トレーナー(英語講師の先生)からの推薦状が取得できるので、就職に有利なコースである分、実習や課題も多くて、TKTのテスト勉強もあってとても大変でしたが、受けて良かったなと思うのは、最後に満点に近い成績が取れ、結果に反映できたことです。TKTも上から2番目の評価を得ることができました。最後の模擬授業で一番よい成績が取れたことも嬉しかったです。私が担当する授業は、いつもトピックから外れ一貫性のない授業だったので、先生と一緒にその改善策を考えた結果、最後の授業はパーフェクトに終えることができたんです。それによって、先生と一緒に答えを導く教育法を自らの経験で学べたのもとても良かったです。そして、「みんなで協力する」がコースのキーワードで、授業を通して先生や仲間と強い繋がりができたことは一生の宝物になるでしょう。
夢は、自分の子供ができたら、近所の子供を集めて英語を教えること。帰国後は、人を助ける仕事が好きなので、何かそういう仕事に就きたいと思っています。ジオスのオークランド校の卒業生が、日本のジオスで先生や事務員として働いているらしいので、もちろんジオスへの就職も選択肢の中に入っていますよ。先生も生徒を助ける素晴らしい仕事ですからね。

 

TKTテストとは
ケンブリッジ大学ESOL(英語を母国語としない人のための)試験。言語知識、レッスンプラン・準備、教材の使い方とテクニックの3つのテストがあり、4段階評価で結果がだされる。ケンブリッジ大学のテストなので、世界で通用する証明書である。

英語講師養成講座学生 / GEOS : 松山 記代子さんと連絡を取りたい、勉強したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/261