Vol.46 Career up in NZ ニュージーランドでバーテンダーとして就職 |
気が付くと、最後に行き着いた場所はいつもと同じバーだった。そして、その扉を開けるのである…。
茨城県生まれ。専門学校を卒業した後、企業でコンピュータ・プログラマーとして働き、その後、夜はバーテンダーとしても働き始める。演じることが好きという 趣味も大会に活かされ、26歳の時、「全国区レディースバーテンダー大会」で銅賞を受賞。2001年ワーキングホリデーでニュージーランドへ来て直ぐ、日本食レストランでバーテンダーとして働き始める。2004年リカーライセンスを取得。現在、ポンソンビー通りにある「Gyoza King」でバーテンダー(バー・マネジャー)として働いている。接客で心がけているのは、笑顔。 24歳の誕生日
「このバーでバーテンダーとして働かせて下さい。」 バーテンダー・毛利隆雄氏との出会い
お芝居を観ることが趣味で、東京へよく行っていた21歳のころ。お酒が好きなこともあり、劇場の周辺のバーで一杯飲んで、お芝居を観る、そんな週末を陽子 さんは繰り返し楽しんでいた。その日もいつものようにお芝居を観るために陽子さんは東京へ向かい、「毛利隆雄」というバーテンダーのお話のお芝居を観るこ とになった。でも、ただひとつだけ、その日いつもと違うことがあった。それは、お芝居で「毛利隆雄」というバーテンダーのことを陽子さんが知ってしまった ことである。そして、そのことによって、陽子さんの人生は大きく変わってしまったのであった。 日本
「大会はひとつの作品を見て頂くという意味では意味があるのですが、人とふれあう接客に興味を持ち始めました。ただ、マスターには『まずは客の話を聞きな さい。』といつも怒られていました。」と大会で受賞した後のことを陽子さんは語る。品の良い人生の先輩の方々がお客様として好んで来られるバーだったの で、お客様の話を聞くことによって、バーテンダーの仕事という意味だけではなく、陽子さんにとっても人生の勉強になったのであった。 海外 「日本のイングリッシュパブや海外旅行の経験から、日本以外の海外のバーテンダーは自分からどんどんお客様に話しかけてアピールすることがとても大事だと 思いました。」陽子さんは、徐々に海外に目を向け始めていた。他の国では、バーテンダーが客達に話しかけ、みんなで盛り上がる光景が陽子さんの目に飛び込 んできたのであった。そして、色んな国へ旅行で行き、地元のお酒を飲みたいという好奇心も同時に沸いてきたのである。韓国へ行ったらソウジュ、ハワイだっ たらブルーハワイ、スイスだったらスイスワイン・・・、と旅行へ行く度にその国のお酒を陽子さんは味わった。 ニュージーランドでの仕事
「ニュージーランドで働き始めた頃は、日本とのギャップをとても感じていました。ニュージーランド人は食事の時に、ニュージーランドはワインの国なのでワインを日本と比べるとよく飲むのです が、他のお酒はあまり飲まないことが大きな違いでした。」2001年にニュージーランドへワーキングホリデーで来た2週間後から日本レストランでバーテンダーとして働 き始めた陽子さんは、ニュージーランドではワインのことが分からないとバーテンダーとして通用しないことを知ったのであった。そのため、年間で300本くらいのワイン を飲み、ワインの知識を働きながら深めていったのである。 バーカウンター
「このお店にはバーカウンターがあるので、カクテルを作る機会が増えました。ニュージーランド人の食文化は日本とは違い、まだ先進国ではないと感じました。ワインは食事と合わせて飲むものですが、クラブでワインをがぶがぶ飲んでいたり、いいウイスキーを何かと割って飲んだりします。そういった意味では、日本人のお客様 の方がお酒のことを良く知っています。ですので、美味しい飲み方をニュージーランド人のお客様にも一応勧めますが、最終的にはお客様が飲みたいものを出すことが一番だ と考えています。私が日本人だということで、ニュージーランド人のお客様から『日本酒の飲み方は、今日は熱燗がいいのか冷がいいのか』と聞かれることが多いです。」陽 子さんはニュージーランド人のお客様にはできるだけ積極的に飲みたいものを聞くなど、アピールをするようにし、ニュージーランド人が知らないと思われるお酒は黒板に書くなどして興 味を持って頂くようにしている。「でも日本人もニュージーランド人も、飲むとみんな一緒ですね。」とニッコリ。 課題と夢
接客を大事にする陽子さんにとって英語は大きな課題のひとつである。「聞く事は随分慣れましたが、喋る時はまだ緊張します。」丁寧な接客の言い回しが使え るようになりたいと陽子さんは抱負を語る。もうひとつの課題は、ワインの勉強である。ニュージーランドのブドウは種類が豊富で2001年以降の知識しか陽子さんが把握 していないため、どの年のワインがいいかなどをもっと勉強したいと思っているそうだ。お酒は歴史が長いので、新しい情報と古い情報を収集し常に勉強が必 要、と常に知識を増やすことを陽子さんは心がけているのである。 脇役
「バーテンダーは主役になることはできません。」とキッパリ。「お客様に主役になって頂くのがバーです。」 |