VOL.64 5月号


NZで活躍する日本人

時代を飾るキウィ




Career up in NZ : 専門職に就いてキャリアアップ中

<女性起業家:ワイン/Island Wine:ウォード 佳奈恵さん | メイン | 英語学校校長/English Voyage Academy:マクリーン えり子さん>

女性起業家:ワイン/Island Wine:ウォード 佳奈恵さん

ワイヘキ島の一流ワイナリー、
Stonyridgeのボルドースタイルワインのように、
年と共に深みを増す人生。それが、私の憧れです。

 

高校時代に、女性ファッション誌「Ray」の準レギュラー・モデルとして活躍していたウォード佳奈恵さん。雑誌からそのまま飛び出して来たような魅力的な彼女が、オークランドシティからフェリーで35分の場所にあるワイヘキ島を基盤に会社を設立し、現在、女性企業家としてワイヘキ・ツアーの企画およびガイドのほか、ワイヘキに関係する様々な仕事を行っている。佳奈恵さんの起業に深い繋がりを持つのが、夫のクリスさんとワインだと語る彼女。そんな佳奈恵さんに、ワイヘキ・ツアーとワインについてお話を伺った。

 

Kanae Ward ウォード 佳奈恵
1975年大阪生まれ。高校生の時に、女性ファッション誌「Ray」の準レギュラー・モデルとして活躍。その他、キャンペーンガールやウエディング関係のモデルなどを行う。松嶋菜々子がグランプリに選ばれた旭化成のキャンペーンガールのオーディションでは、最終審査まで進む。医療専門学校卒業後、歯科助手など医療関係で働く。日本語(関西弁)が流暢なキウイハズバンドのクリスさんと結婚して9年。2002年、NZに移住。2004年よりワイヘキ島に住む。2006年、Island Wine社を設立。ワイヘキ・ツアーをメインに行う。現在、ワインアドバイザーの勉強中。ワインは、白はシャルドネ、赤はピノノワールが好き。


Island Wine
www.islandwine.co.nz
kanae@islandwine.co.nz
Ph: 09-372-2278 
Mob: 027-411-1193

 

専業主婦志望から女性企業家へ

  昔は専業主婦に憧れていたので、今、会社を起こしてビジネスをしている自分を見ると、人生って分からないなって思います。これは、夫のクリスの影響が大きいのでしょう。彼と出会ったのは、かれこれ12年前。彼が日本でレストランのマネジャーとして働いていた時でした。クリスはオークランド大学でビジネスを専攻し、関西国際学園でも勉強したり、ずっとビジネスをしたいと考えていた人でした。また彼には、夫婦で協力して、一人ではできないビジネスをしたいという夢があって。彼にずっとそういう話をされている内に、いつしか私もビジネスに目覚めてきたようです。今では、自らビジネスをするようになってしまっている自分を、とても不思議に見ています。
ニュージーランドには4年半前に来ました。彼と結婚したのは9年前で、日本では私は医療関係の仕事に就いていました。日本でお互いに一生懸命働いてきたので、もうそろそろニュージーに拠点を移して、次の目標に向かって何かしようということで、ニュージーに来ることを決めたのです。クリスは、ワインにとても興味を持っていたので、オークランド大学の大学院でワインの勉強をはじめました。働くなら世界的に評価の高い、ワイヘキ島のワイナリー、Stonyridge(以下、ストーニーリッジ)と決め、勉強に励んでいました。私自身は学校ではワインの勉強をしていないのですが、クリスと語り合う中で、ワインの知識を増やしたり、毎週12種類のワインをテイスティングする会に参加したり、ニュージーランド全域のワイナリーに2人で旅してワインについて学ぶといった実践的な方法で、ワインの世界にどんどん入って行ったのです。ブドウの品種ごとに味を覚えて、料理との相性も舌で学び。テイスティングは、赤が若干まだ難しいですが、だいたい分かるようになりました。そして3年半前にクリスが、希望通りにストーニーリッジのマネジャーとして就職が決まり、ワイヘキに基盤を移し、こちらがメインの生活がはじまったのです。

 

一流のワイン造りを体験


 クリスがストーニーリッジでビニヤード・マネジャーやアジア圏への輸出関係を担当している一方で、私は同じワイナリーで、実際のワイン造りに携わっていました。ブドウの葉の新芽の間引き、ネット張り、収穫、ボトルのラベル貼り、ビン詰め、箱詰めなど全ての工程を3年間、続けて行いました。今、思うと、ワインの味もワイン造りも、すべて体に知識を吸収させていった感じでしたね。中でも最も豊かな体験だと思うのは、自分が1年間育ててきたブドウからできるワインを最後にテイスティングして、どんな味のワインができたかを知ったこと。その経験をストーニーリッジでできたということもラッキーに思います。ストーニーリッジは、1982年に設立されたニュージーを代表するワイナリーです。オーナーのスティーブが、大学卒業後に人生を考えながら、ヨットで世界中を旅している時に、ワインを造ろうと思い立ったのが始まりでした。それから彼は、ボルドーワインがもっとも美味しく造れる場所を探し、選んだのがこの土地でした。気候や風向きなどボルドーワインに必要なもの全てが、最高に満たされていたのです。それから25年が経った今、ストーニーリッジは数々の賞を国内はもちろん、世界でも受賞し、中でもStonyridge Laroseは、現在ニュージーで最も値段の高いワインで且つ、最も有名なワインにまで成長しました。何度もコンペティションを勝つ中で、厳しくテイスティングをし、品質や味を極めていったのです。今は、有名なソムリエたち、たとえばニュージーでいうとマイケル・クーパーなどが、ストーニーリッジのワインを高く評価をしてくれ、いつも5スターで、素晴らしいコメントを書いてくれていることが、安定したワインの価値を築き上げていますね。日本を代表するソムリエの田崎真也さんも、ここのワインをテイスティングして、とても良いコメントを書いてくださっていますよ。それほどまでに世界中で評価されるのは、何よりもワイン造りが手作業で気持ちがこもっていることと、オーガニック農法を使用していることが理由でしょう。手作業ですので腐ったブドウは取り除くことができますし、オーガニックですので一切ケミカルは使用していないので、その土地のうま味が最大限にでるのです。


ワイヘキの魅力を日本語ツアーで


  私がストーニーリッジでワイン造りの仕事をしている時に、多くの日本人のお客様がこのワイナリーを訪れているのを見ていました。そんな時、ふとワイヘキ島在住の日本人が行っているツアーが無いことに気づいたのです。もし現地の日本人がツアーを行えば、もっとお客様に有意義な時間を過ごしていただけるだろうなって思ったのでした。私自身も3年間ここに住んで、ワイヘキの魅力にすっかり魅せられていました。そんな私の好きなこの島を皆様にもっと楽しんでいただくことができればって思ったのが、Island Wine(以下、アイランド・ワイン)という会社を立ち上げたきっかけでした。
 ツアーは、みなさまのご希望に合わせて、この島を楽しんでいただけるようにプランしています。ワイヘキはワインで有名ですが、日帰りのワインツアーでしたら、通常、だいたい4つのワイナリーをご案内しています。お客様には、ワイヘキの歴史、ワイナリーの歴史、ワイン造り、美味しいワインの飲み方などを私の体験も含めてお話ししています。ワイヘキのワイナリーは、ワイナリー毎に景色が違うのが魅力ですね。オークランドシティが展望できたり、島を取り巻く海が見えたり、斜面に広がる緑のワイン畑が見渡せたり。そこで食べるランチは格別です。食べ物とワインの味を引き立てますね。レストランやカフェも豊富ですよ。レストランも店によって雰囲気が違い、色んな表情を持っているのが、小さな島のワイヘキらしさですね。ほかにも、ワイヘキには多くの楽しみ方があります。最近はオリーブオイルも有名です。それにビーチもいいですよ。多くのアーティストがワイヘキに住んでいるのでアートも見応えがあります。アクティビティもでき、魚釣り、スカイダイビング、乗馬など、何でもご希望を言ってくだされば、たいていの望みが叶えられる島で、1日あれば、十分楽しめます。現在は、直接のお問い合わせも、旅行エージェントを通したご予約も受けております。



夫とワインと共に将来を描く


  私の場合はとくに、夫の支えがあったからこそ今があると思い、夫婦で何事も協力しあうことが大事だと痛感しています。夫と一緒にワインの仕事をしているので、良い情報が手に入り易いことも恵まれていることですね。たとえば、ワーホリの方にご提供できる情報としては、ストーニーリッジでは、随時ピッキングをしてくださる方を募集していること。ランチやバイト代が支給される上に、ピッキングの後にストーニーリッジのワインで乾杯し、美味しいワインが味わえます。ここのワインは、高価ですし、ニュージーの最高級のワイン造りに携われるチャンスでもありますね。金額にはこだわらず、ストーニーリッジの一流ワインをお試しになられたい方には、やはりLaroseがお勧めです。また、5年前からPilgrim(シラー)もこのワイナリーで力を入れているワインです。マイケル・クーパーが、最新の彼の著書で5スターに評価し、彼がランチを食べにここを訪れた際も、最後の一本を購入してスタッフと一緒に飲んで帰って行かれました。
 アイランド・ワイン社は、ツアー会社として始まり、このようにワインがやはり強い分野になりますが、犬の繁殖ブリーダーや、ワイヘキ産の商品をお土産物屋さんに卸す仕事もしています。またワイヘキと日本の架け橋にもなりたいと思い、良質のワイヘキ産オリーブオイルの輸出も考えています。夫と設立した会社ですので、クリスにも夢があり、彼は他のワイナリーのワインも含めて、アジア圏にニュージーランド・ワインをプロモーションして、輸出をしていきたいようです。ビジネスをこんな風に夢描けば描くほど、海外生活を始めたことによって視野が広がり、自分のステップアップとして精進できていることに、今、とても感謝しているんです。これからもマイペースで何事にも突き進んで、この国で可能性のある限り、いろんな事にチャレンジしたい気持ちでいっぱいです。そして、ワインとはいつまでも関わっていたい。品質の良い赤ワインは寝かすほど味が深まりますが、私自身もそんな赤ワインのようでありたい、という願いと共に。

女性起業家:ワイン/Island Wine:ウォード 佳奈恵さんと連絡を取りたい、勉強したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。

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